第7章 韓国ドラマ映画 
112. 黎明の瞳(ひとみ) 여명의 눈동자 ❷
 
 
 
 
 
まずは、
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伝説の祖国解放前後を舞台にした名作「黎明の瞳」
ドラマは21話から、激動の解放後の混沌とした南北朝鮮にスポットを当てて進行して行きます。
 
 
余談ですが、現在MBCではYouTubeで全話無料視聴公開をして居ますので、オリジナル版の視聴が可能です。
しかし、字幕が付いて居ないのがネックで、私も方言の訛りなどが入るとすっかりお手上げなので、英字字幕でも無いと、微妙な箇所で聞き取れない場合が有ります。
 

 
今は自動で日本語に翻訳してくれるアプリなども有ると言うので、多少ウリマルを理解出来る方、根気の要る作業ですが、YouTubeで視聴されて見るのも一つの手だと思います。
 
 
さて、「黎明の瞳」の原作の方ですが、1975〜1981に日刊スポーツに連載されたキムソンジョンの原作小説の方は、バイオレンス色と猥褻色が濃厚な上、ドラマに比べ反共的な傾向が多大で、共産主義勢力、特に主人公のチェ・デチが反吐(へど)が出る程の極悪人として描かれて居ます。
 
< 原作小説>
 
ドラマはこの様な一方的な反共的傾向を多少修正して、チェ・デチも人間味の有る存在として描きました。
 
とは言え、韓国で制作される特性上、反共的傾向に違いは無く、そうした方向で描かれて居るのですが、当時の右翼論壇は「容共」だと散々非難したそうです。
 
しかし、このドラマで描かれる韓国の国家権力による無辜(むこ)の人民に対する無差別殺戮などの悪行の数々は、「済州島4.3蜂起」弾圧を始め、現在では全て真実と認定されて居ます。
 
<済州島 4.3蜂起>
 
特にこのドラマで初めて「済州島4.3蜂起」とその真実を描いた事が、ドラマの最大の意義で有ると評価されて居ます。
 
前回のあらすじの続きを。
 
 
朝鮮の解放を迎え、チェ・デチ北朝鮮ピョンヤンでソ連の将校として北朝鮮でのテロなどの多くの事件に関わりました。
或る日新聞で、ユン・ヨオクが戦争中の諜報活動に対する功労で米軍から表彰されたニュースを知り、南朝鮮に渡り活動する事を決心、南の労働者たちのゼネスト闘争を扇動するなど活動しながら、ヨオクを訪ねます。
 
 
解放後ヨオクは、故郷のナムウォン南原に戻った物の、周囲の眼に居心地が悪く、チェ・デチの故郷ケソン開城を訪ねますが、彼が戦死したとの報せを知り、ソウルのチャン・ハリムを頼ります。
ハリムは南朝鮮で、植民地時代に日本軍の手先だった人物が大手を振って警察権力の座に就いて居る事に失望して、アメリカ軍属のまま仕事して居ました。
 
 
ハリムの斡旋でアメリカ軍から戦時の諜報活動に対する表彰を受けたヨオクは、アメリカ軍のタイピストの仕事を得て、彼と楽しい時間を過ごし、彼と結婚の約束をするに至ります。
 
 
そんな幸せの絶頂の中、チェ・デチが姿を見せました。
揺れ動きながらもチェ・デチを受け入れるヨオクを見たハリムは、自暴自棄に陥り、偽装転向したアメリカの工作員としてピョンヤンに潜入。
 
ここで彼は南派パルチザン兵の情報を米軍に流すなどスパイ活動を行います。
 
 
一方、ヨオクに身を寄せたデチは李承晩暗殺未遂などの工作活動で負傷、ヨオクは彼に代わり米軍庁内で北の工作活動に手を染め、スパイ活動を行います。
そこでハリムが北で工作員として活動して居る事を知りますが、それを告発出来ずに苦しみます。
 
 
そうする内、ハリムヨオクも、それぞれのスパイ活動が露見してしまいました。
ハリムは命からがらリムジン江を渡り越南。
ソウルに戻った彼は米軍庁によって済州島に転勤を命じられます。
 
一方でソウルでのスパイ活動が露見しチェ・デチヨオクを連れてソウルを脱出し済州島に身を移しました。
ヨオク一家はここで済州道4.3蜂起に巻き込まれます。
 
 
警察、西北青年団らの執拗、かつ容赦無い暴虐に耐えかねた彼らはハルラサン漢拏山の洞窟に篭(こも)り、苦しい生活を送ります。
 
済州島に到着したハリムは何とか済州島の事件を穏便に済ませようと努力しますが、上手く行かず失望感に駆られます。
 
 
デチは、軍隊で培った軍事技術で大いに対抗しますが、武装勢力は次第に劣勢に。
ヨオクの苦しむ姿を見兼ねたデチは、ハリムが済州島に仕事で来て居る事を知り、彼女を逃す交渉を行い、船で済州島を脱出させる計画を立てますが、船で待つハリムを見たヨオクは、彼と合わす顔が無く、乗船を断念。
 
 
チェ・デチの、平気で人命を犠牲にする冷酷さにも耐えられずヨオクは警察に投降しました。
 
ソウルでのスパイ活動を未咎められたヨオクは、ハリムの必死の弁護にも関わらずソウルで死刑を宣告されます。
西大門刑務所に収監されて居る時、6.25を迎え、人民軍により釈放されます。
 
 
一方のデチは、劣勢の済州島を、指導部のみで脱出、越北して危機を免れましたが、政治闘争に巻き込まれ左遷、炭鉱に追放され炭鉱労働者として働きますが、朝鮮戦争勃発により軍隊に復帰します。
 
 
以上、解放直後篇は21話から32話までです。
この中で画期的なのは上述しましたが、「済州島4.3蜂起」を初めて全面的に描いた点です。
 
祖国の解放後、済州島が置かれた位置、4.3蜂起のキッカケから経緯が主人公目線でしっかりと描かれて居て鳥肌が立つ位です。
どうしようも無い苦しみが胸を掻きむしります。
左右勢力の報復合戦、弾圧する警察、悪名高い西北青年団の無差別攻撃が生々しく描かれて居ます。
 
<済州島4.3蜂起>
 
この描写により、このドラマが放映されるや韓国に衝撃が走りました。
リアリティー有る4.3蜂起の実像を初めて全面的に描いた事に、このドラマの価値が有ります。
 
字幕は有りませんが、YouTube視聴環境に有る方は是非その目でお確かめ下さい。
 
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<参考文献>
나무위키
 
#韓国ドラマ #韓国時代劇ドラマ #韓国映画

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