<ドラマ サンガプ屋台より>
 
第4章 韓国朝鮮の文化-5
韓国朝鮮の宗教
 
 
 
今回は韓国朝鮮の宗教について見たいと思います。
 
まず、韓国での宗教を見たいと思います。
韓国の宗教分布の特徴は日本など東洋各国と同様で無宗教人口が多い事です。
 
 
2021年韓国ギャラップ統計を見ると無宗教人口が人口の60%と、日本(62%)と近い数値です。
 
異なるのは宗教信者数ランキングで、日本で仏教が多いのとは異なり、韓国ではキリスト教が上位を占めます。
 
 
表にも有りますが、韓国で1番信者の多い宗教はプロテスタントで17%です。
2位は仏教で16%、3位がカトリックで6%、それ以外は1%となって居ます。
簡単にそれらについて見たいと思います。  
 
 
 
1.プロテスタント(改新教)
 
東アジアでは信者数がかなり高い水準です。
アジア東部ではフィリピンと並びクリスチャン国だと言えます。
 
韓国でカトリックプロテスタントが勢力を伸ばしたのは、1800年代末、それまで厳しい身分制社会の中に生きて来た民衆が平等を説く教義に衝撃を受け、急速に広がった事が大きかったと言えます。
 
 
また、神を信じる事が、天を仰ぐ朝鮮民俗信仰と大きく変わらない事も一役買いました。
その上、植民地時代に日本から神道及び仏教を強要されたアレルギーから、相対的に日本が強要する宗教とは全く異なる系統の宗教、キリスト教に対し拒否感が少なかった事が大きかったと言えます。
 
また、朝鮮に於けるカトリック(天主教)布教は、世界中で唯一宣教師を通じた伝播で無く、自国の留学生らにより自発的に信仰が伝来したという点でその特色が有り、特に東方のエルサレムと呼ばれたピョンヤンを始めとする西北地方はキリスト教のメッカでした。
 
その中で、プロテスタントは旧韓末の啓蒙運動と独立運動の先頭に立った宗教の一つで有り、独立後に韓国で活発な社会運動を行った故に比較的好感を持つ人が多かった事、独裁政権時代にも反政府的なスタンスを取らなかった為、弾圧される事も無かった事も功を奏しました。
 
<ドラマ 童貞夫婦より>
 
特にプロテスタントは大きな教会を持たず、小さな布教所を住宅地に設け、積極的に布教活動を行った事も優位に繋がりました。
 
 
2.カトリック教(天主教)
 
カトリック教については別途1コマ必要です。
先にも挙げた様に宣教師に依らず布教が広まった後、主にフランス宣教師により広まりました。
しかし所謂「西学」、医術などを武器にプロテスタントが勢いを伸ばし相対的に劣勢になりました。
 
 
1970年代以降、人権や民主化を支持して独裁政権と袂(たもと)を分かった事、プロテスタントに比べ布教活動や社会活動が少なかった事なども影響して居るそうです。
 
とは言え、アジアでは信者の割合が多い方だと言います。
 
<代表的遺産 石窟庵>
 
3.仏教
 
日本では1位の仏教ですが、韓国ではプロテスタントに押され2位に転落した事が仏教界に衝撃を与えました。
朝鮮王朝時代『崇儒抑仏政策』により、弾圧を受けるも準民族宗教として根強い支持を集めましたが、旧韓末のキリスト教の積極的な布教活動により劣勢に追い込まれました。
 
積極的な布教活動が足りなかった事が影響しており、アジア各地での傾向でも有りますが、若者の支持が少ない事が課題であると言えます。
とは言え、少数宗教になった事の無い事は特筆すべきと言えます。
 
<ドラマ サンガプ屋台>
 
 
4.巫教
 
日本の無宗教人口をヨーロッパ式で分類すると仏教徒と見做されると言います。
我が国も仏教の影響をかなり受けて居ますが、日本との違いは民俗宗教で有る「巫教」の影響が強く、「巫教徒」と呼べると言う事実が有ります。
 
「巫教」は日本の「神道」に近い存在だと言えます。
 
 
巫教を以前には宗教と見做さず、ただ単に
「迷信」と見なす見解が主流でした。
しかし、現在では古朝鮮時代から連綿と繋がる、原始的シャーマニズムにその源流を見いだす事の出来る民族宗教『巫教』として評価する見解が強まって居ます。
 
ここで「巫教」については以前に記事を書きましたのでご覧下さい。
 
↓↓記事はコチラ↓↓↓

 

巫教の基本とも呼べる巫女による「クッ굿」や占いは現代韓国でも今尚盛んで、一説には韓国の信者1500万人〜2000万人と、後述しますが共和国の巫教信者1000万人〜1500万人を含めた2500万人〜3500万人の信者を抱える巫教は、

世界10大宗教に数えられるとの統計も有ります。
 
 
次に共和国での宗教を見たいと思います。
社会主義政権下で宗教は抑圧の存在で有り、友党で有る民主党の基盤で有るキリスト教徒天道教請友党天道教徒も一定数存在すると思われますが、数値は非公開の為、その実態は分かりません。
 
しかし、先程も述べましたが、民衆の間では今尚密かに占い関羽を祀るソンファンダンと呼ばれる祠(ほこら)が存在し、迷信と呼ばれる「巫教」が多くの支持を得て居ます。
 
 
宗教が公(おおやけ)に認められない分、却って迷信を好むと言え、結婚相手を選ぶ時など、吉凶を占う占い師に頼る事が多いと言われます。
 
一説には上に挙げた様に、共和国人口の2500万人の半分に近い数が巫教の信者だと言われて居ます。
 
ここで韓国朝鮮の民族宗教「儒教」と見做す見解も存在しますが、基本儒教「宗教的色彩の大きい哲学」つまり「思想」と分類する事が出来、宗教とは似て非なる存在と言えます。
 
<ドラマ 風と雲と雨>
 
つまり、我が国の宗教分布については元々の古朝鮮時代からの民族宗教「巫教」道教儒教の教えの基礎の上に仏教の影響を受け、近代にはキリスト教の世界観を大きく受けた重層的な分布と見る事が出来ます。
 
<参考文献>
한국민족문화대사전
나무위키 
갤럽리포트  한국인의 종교 1984-2021 (1) 종교 현황
Wikipedia

 

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