第4章 韓国朝鮮の文化-1
国旗について
現在韓国の国旗は太極旗、共和国の国旗は共和国旗です。
これらはどの様な意味が有り、どう言う経緯で国旗に採択されたのでしょうか？
今回は国旗について見たいと思います。
朝鮮王朝時代には国旗は無く、君主を象徴する御旗がありました。
太極旗は朝鮮君主の御旗である「太極パルグェド八卦図」を一部変形して、高宗が直接絵柄を指示して作製されました。
国旗を作るキッカケになったのは、清国の黃遵憲が「朝鮮策略」で、「朝鮮が独立国である場合、国旗を持たなければならない」と書いた文章でした。
1882年朝米修好条約を締結するにあたり、アメリカ代表シューフェルトは朝鮮王朝が独立国として国旗を制定して調印式に使用する事を要求しました。
太極旗はこうした要請により、1882年高宗の命によって上記の御旗の一部を変形して製作しました。
1882年高宗は太極旗の製作過程に直接参加して、民を意味する白と官員を意味する青と君主を意味する赤い色を調和させた円を描き入れ製作する事を要求しました。
しかし、その図案は多少、日本帝国の国旗と似ているとして、キムホンジプ金弘集はバンホンバンチョン半紅半靑の太極模様とし、その周囲に、朝鮮八道を意味する八卦を描く事により日本の国旗と区分出来るとして、太極旗模様が決まりました。
こうして1882年5月、朝米修好条約締結にあたり、訳官リウンジュン李應浚により直接船の中で太極旗を描いて使用され、9月朴泳孝が修信使として日本に派遣されて行く時にも使用されました。
斯くして太極旗は1883年3月(高宗20年)正式に
「朝鮮国旗」として採択されました。
しかし正確な図案を定めなかった為、かなりのバリエーションが存在する事になりました。
大韓帝国時代、植民地時代の3.1独立運動時(総督府により禁止されて居た)、大韓民国臨時政府(臨政)使用絵柄と、みな微妙に異なります。
最終的に1949年10月に文教部告示により、現在の図案に確定しました。
2007年7月大韓民国国旗法により、多少色合いが変わって居ます。
現在持たせて居る意味合いを簡単に述べます。
①白地：背景が白いのは、民族の同質性と潔白性、そして平和を象徴しています。
我が民族が昔から白を崇拝し、白衣民族と呼ばれて居たのは有名です。
これは太陽と平和を希求する願いが込められて居ると言われますが、その象徴と言えるでしょう。
②一円の太極：儒教の哲学で太極は宇宙万象の根源であり、人間の生命の源泉として、真理を表現し、永遠の相を持って居るとします。
③陰陽：紅色の陽と青色の陰が上下に相対和合され、全ての物(万物)は陰陽の循環と調和の中で成長し繁栄すると言う陰陽説に沿って居ます。
現在では主に社会と国民の結合を意味して居ます。
④四卦：건괘乾卦、곤괘坤卦、감괘坎卦、리괘離卦は太極図の陰陽と切り離せない関係で配列された物で、陰陽が発生し、発展した面を示して居ます。
具体的に言うと
건괘乾卦(☰)は空=正義
곤괘坤卦(☷)は土=厚徳・共利
감괘坎卦(☵)は水=知恵・活力
리괘離卦(☲)は火=光明・情熱
などを表します。
この様に太極旗は朝鮮古来の儒教精神で有る陰陽五行説に則って居ると言えます。
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以前紹介しましたが、光復後の北半部、共和国でもしばらく太極旗を使用して居ました。
しかし、上記の様な思想から、太極旗はこれからの時代にそぐわないと金日成が変更を指示、1948年共和国旗が製作されました。
次にこの共和国旗を簡単に説明します。
共和国旗、幼い頃から馴染んでますが、贔屓(ひいき)目を除いてもシャープでカッコいいと思います。
ストライプとシンメトリーを使用し、赤と青と白のコントラストが綺麗です。
太極旗はやや、白が多くて退屈な印象を受け兼ねませんが、コチラは白が少なく逆に目立って居ます。
正式には藍紅色共和國旗ラモンセクコンファグクキ람홍색공화국기ですが、共和国旗、藍紅色旗、紅藍五角星旗などと略されます。
韓国では人共旗と呼びます。
『太極旗』、『三色旗』や『星条旗』『日章旗』の様に『藍紅旗』若しくは『藍共旗』など3文字で略称を作れば呼び易く、もっと親しみが湧くと思いますが、どうでも良い話しでした(笑)。
国旗に込められた意味は大略以下の通りです。
赤は革命と革命の為に流された血を意味して居ます。
星は社会主義の輝ける未来を、
青は平和と民主主義の希望を、
白は我が国の伝統とする民族の純白さを表して居ます。
太極旗と同様、我が国の伝統的な丹青단청の色を使用して居るのも特徴です。
1989年、南北体育会談で共同旗として統一旗(単一旗)が採択されました。
白い生地に朝鮮半島と済州島を載せたシンプルなデザインですが、共同入場、共同応援などで使用されて居ます。
この旗が統一後の国旗になる訳では有りませんが、現在統一の象徴になって居ます。
私個人的には伝統色の赤と青を使用して居ないのでイマイチです。
でも合意した事に意義が有りますね。
どうあれ南北が歩み寄ってくれると良いです。
<参考文献>
한국민족문화대사전
나무위키
