第7章 韓国ドラマ映画
59.揀択カンテク ❷  간택❷
 
 
 
TV東京系列地上波で絶賛放映中のこのドラマ、
そろそろ佳境に差し掛かって来ました。
チンセヨン、オクニョの時はさほど良いと思いませんでした。
どちらかと言うと現代劇向きな顔です。
実際、髪を下ろして居るととてもステキです。
 
 
史劇は一律に髪を上げて前髪も下ろせないので
「顔の向き不向き」が分かれます。
チジ二などもチャングムで初めて観た時
「オオッ!」と思いましたが、現代劇だとさほど目立ちません(笑)。
 
史劇向きの顔は日本でも同じで、例えば東山紀之などそれに当てはまると思います。
要は洋風な顔か東洋的な顔なのかによると思うのですが…
 
 
チンセヨンに戻ると、段々見て居るとあの目ヂカラにやられます(笑)。
目が顔に占めるパーセンテージはかなり高いのでは?(笑)
 
現代劇と違い、史劇の様に言葉を自由に発せないドラマは「目が口程に物を言い」ます。
目での演技が重要なのですが、その点目が大きい人は目を大きくしたり小さくしたりするだけで表情をかなり変えられるので便利です(笑)。
そしてつぶらな瞳でジーッと見つめられるとコチラまでドギマギして来ます。
 
 
やはりさすがイビョンフン監督に目の狂いは無いと、イヨンエ然りハンヒョジュ然りと思った次第です。
 
と言う事でドラマ内容も女優も楽しみなこのドラマ、先も言いましたが、クライマックスに近づいて来ました。
前回にも述べた様に朝鮮王朝時代にはあり得ないファンタジー史劇です。
 
↓↓前回の記事はコチラ↓↓↓

 

このドラマのモチーフは勿論王妃選びの
「カンテク揀択간택」で、サブモチーフは
復讐のサスペンスになって居ます。
 
ですが、実は隠れモチーフが有るのをご存知ですか?
 
何だと思います?
 
ハイ、そうです。(勿体ぶり過ぎ?)
 
私にとっても因縁の深い事実。
キーワードは「双子」です。
我が家も双子なので「双子」の設定には耳目が集中してしまいます(笑)。
 
 
韓ドラの常套と言えば冬ソナに代表される
❶出生の秘密
❷主人公へのイジメと苦労
❸不慮の事故と他人の生き写し(生き返り)
❹記憶喪失
❺三角関係(ドラマ一般全て)
などです。
❻付け加えるなら権力への挑戦と勧善懲悪もそうでしょう。
❼最後の大ドンデン返しは当たり前ですね。
❽1番の特徴は最後のハッピーエンドです。(勿論例外も有り)
 
 
これは春香伝チュニャンジョンから連綿と繋がる朝鮮民間恋愛説話の伝統とも取れます。
そしてここが日本の江戸時代からのエンタメ伝統と違う所ですが
 
❶日本の小説や講談、歌舞伎に至るまでの民間娯楽には近松門左衛門の「心中物」に代表される「死んで純愛を貫き通す」などの悲劇も世間の悪行や社会の矛盾に対する抵抗としてハッピーエンドに昇華してしまう「芸術性」として重きを置く伝統が有ります。
 
❷それは日本で早くから都市と市民が成立・発達、資本主義が発展発達し、民間芸術が早くから商品化され(=商業演劇)たせいでも有るのでしょう。
 
 
❸それに比べ儒教・性理学が支配的地位に有った朝鮮では小説や牌説などを「民心を幻惑させる邪悪な存在」として否定、よって作者も匿名で出版せざるを得ない状況で、ついぞやリャンバン両班(都市市民)の為の娯楽文学は生まれず仕舞いで、あくまで娯楽は民衆の物でした。
 
❹朝鮮での都市の発展は非常に緩やかで、芸術は農民をターゲットに都市郊外まで巻き込む形で野外での演劇や仮面劇として、主に庶民の為の芸術にリャンバン層が包摂される形で成立しました。
 
❺この様な状況は民衆・女性が好むメロドラマが好まれ、悲劇やアンハッピーエンドは好まれません。
 
<コクトゥカクシ劇(人形劇)>
 
これが韓ドラに於いてドラマの定番が存在する理由で、日本で水戸黄門や大岡越前が日本人の情緒となって居るのと同じ脈絡と見えます。
 
と、何だか日本と朝鮮のエンタメ論になってしまった感が有りますが、戻りましょう(笑)。
 
このドラマ「カンテク揀択」も韓ドラの定番を踏襲して居て❶から❽まで全部当てはまります。
違うのは生き返りでは無く主人公が双子だったと言う事です。
 
双子は日本ではどちらかと言うと忌み嫌われました。
間引きや嬰児殺しが許されて居た伝統ではなおの事でしょう。
 
 
しかし、中国もそうですが、朝鮮では双子・三つ子は多産の印として尊ばれて居ました。
現在でも共和国では双子・三つ子が誕生すると国家から盛大なプレゼントを送りメディアで大々的に宣伝します。
死産や1歳までの死亡率が非常に高かった我が国に於いて双子・三つ子が胎内で育ち無事誕生したと言う事実が非常に縁起が良い事と思われたのでしょう。
 
 
しかしドラマでは主人公の生き返り(?)を正当化する為に双子の存在が不吉と言われる時期が有ったとこぼして居ます。(19話)
 
それは当然で、そうで無ければ主人公が何故姉と一緒に先の「カンテク揀択」に参加しなかったのかが説明つかないからです(笑)。
 
こうした涙ぐましい無理くりな設定をしてでも何とか王妃の「カンテク揀択」行事とそれに絡む主人公の復讐を描きたかったドラマ脚本家の苦労には頭が下がります(笑)。
 
 
実際、王妃カンテク揀択の過程はとても面白く、主人公がイジメや妨害を潜り抜ける姿は「ミスコンテスト」の様でとても見応えが有りました。
 
しかし前回も言いましたが、暗殺者が婚姻の日に国王を狙撃するなど非現実であり得ないシチュエーション満載で、
最近流行りの「現代劇の設定を無理矢理史劇に移しただけ」フュージョン史劇、ファンタジー史劇の典型と言えそうです。
 
韓国はドラマの競争が激しく、ありとあらゆる設定を引っ張り出さないとドラマ制作が成り立たないのでしょう(笑)。
 
と言う意味であと2話残りましたが、最後の大円団まで楽しみに観る事にします。
 
余談ですが、景福宮の慶会楼で撮影したであろう宮殿の庭(セットかもですが:笑)で主人公と国王が散策する姿を見てるだけで綺麗で癒されます。
 
 
美男美女のコスプレショットっていつ見ても絵になりますね。
そう、つべこべ言わずコスプレショーとして見れば良いのですね(笑)。

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