【警察官が取調べで中学生を脅迫】 | 弁護士高橋裕樹のニュースな法律問題ブログ

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「否認すれば牢屋(ろうや)に入れる」
「てめえの首を取るぞ。高校なんか行かせねえぞ」

こんな暴言を
警察官から
密室の取調室で
言われ続けたらどう思いますか?




このような取り調べが
現実に起きています

http://news.tv-asahi.co.jp/sphone/news_society/articles/000107485.html

というと、なにか特別なことが
起きたように思われるかもしれませんが

刑事事件を多く扱っている僕ら弁護士からすると
『またですか』
という話です

要は、氷山の一角です

今回は録音がされていたため発覚したようです
その意味で
特殊なケースです

実際に
警察官からいわれもない誹謗中傷や暴言、
事件と全く関係のない嫌がらせのような質問、
を受けることはよくあります

密室で「死ねよ」と言われたり
「お前みたいな変態は刑務所」
「お前、小学校の時いじめられてたらしいな」
「携帯見たけど、お前浮気してるよね。その相手も呼んで取り調べするよ」

これらは
僕が受けた事件の被疑者が取り調べで
実際に言われていたことです

ほかにも
事情聴取のための任意の呼び出しの際に
「こっちも遊びでやってるんじゃねーんだ。こっちの都合に合わせろ」
「会社に電話して、仕事休んでくるよう伝えるから」
「事情聴取に来る必要があるかどうかを決めるのは、あなたじゃなくてこっち(警察)だ」

さらに今日相談を受けた件でも
「共犯者の○○は犯罪事実すべてを認めてるぞ。」
(○○は犯罪事実を否認している)
という発言がありました

明らかな違法取り調べです


警察に捕まるということは
犯罪をやっているはずだ

犯罪者と疑われるようなやつは
こんな仕打ちを受けても仕方ない

本当にそうでしょうか?

映画「それでも僕はやってない」
のように、現にやっていない犯罪で逮捕されている人、取り調べを受けている人は多数います。

刑事裁判での無罪率は一桁パーセントですが
完全な統計こそないものの
刑事裁判になる前に釈放される人(起訴されない人)や
被疑者扱いされる人の数は
相当数に及びます

つまり、犯罪とは無縁の人、犯罪者でない人が
毎年たくさん逮捕され、
警察署に無駄に呼び出され
取り調べを受けているのです

そして、そのような人に対しても

上記のような発言がなされているのです。

警察も感情のある人間

怒るときもあるでしょうし、
虫の居所の悪いときもある

犯罪を犯すこともあれば
職権濫用をすることもある

今回の件は氷山の一角
そして、担当刑事に下されている処分も軽い

取り調べだから仕方がない
という身内を守る意識があるとしか思えません

このようなことが現実に起きているということを
皆さんにも是非とも知っておいていただきたいと思います