ある日私の診察室に、3年ぶりにKさんがやってきました。

彼女は60歳、3年前にフェイスリフト手術をして顔の輪郭が整い、

非常に若若しくなって気分よく帰って行かれたのを覚えていました。


「お久しぶりですね。フェイスリフトをしたおかげで、輪郭は非常にいい状態が保たれているので若いですよ」


「おかげさまで!先生、このあいだ10年ぶりに中学校の同窓会に行ってきたんですけど、私が一番若かったみたい!男子にお前全然年取らんなあって言われたわ」


「そうですか!さぞ気分が良かったことでしょうね。確かに若いです。今度は何処か治したいところが出てきましたか」


「上瞼のたるみが気になってきたんで、治したいです」


「外側のたるみがかなり目立ってきましたね。でもKさんはもともとはっきりとした二重瞼だったので、眉毛の生え際でカットする方法が良いです。抜糸すればもうほとんど気にならなくなりますよ」


「時間はどれくらいかかりますか」


「約1時間です。重瞼線の位置で皮膚を切除すると、腫れが長く続きますからそのことを考えると、眉毛の下縁で切るのはすごく治りが早いです」




手術は目が閉じるのに必要な皮膚を残して余っている皮膚を切除します。そしてその下の筋肉を少し切除して残った筋肉を引き上げて目が開きやすくします。その後皮膚を縫合すると、普通に目を開けただけで弛みのない瞼が完成します。1週間で抜糸すると、ほとんど不自然さがありません。つまりダウンタイムは1週間そこそこというわけです。


K さんまた若返ってしまいましたね!」


「これでますます年齢不詳だわ(笑)」


「僕は今自称41歳と毎日患者さんに言っているんですけど、僕ぐらい白々しく言うと、笑って許してもらえますよ」


「先生が41歳なら私は35歳でいいわけね。お友達がまた若くなったってびっくりするでしょうね。でも本当に気分が晴れますわ!」


「普通の寿命生きるとしても、あなたはあと25年は生きないといけないのです。毎日鏡を見るたびに、『嫌だわ、この顔』と思いながら老後を生きるのと、『すっきり若々しくなって良かった!』と思って生きるのとでは、同じ長生きしたとしても、雲泥の差がありますよ。それをQ O L(人生の質という意味)といいますが、美容に関する手術はつまるところ、Q O Lを高める手術ということがいえます。「いやいや」よりも「うきうき」の生き方の方が却って長生きするものです。出来るなら、気分よく長生きがしたいものですよね。僕は今4歳、あと30年は現役で頑張って、百歳の美容外科医を目指していますよ。お化けといわれるようになりたい!(笑)」


「先生ならできそう!じゃあ私もまだまだ先生にお世話になってお化けといわれるまで頑張ります」


「あと3回くらいフェイスリフトをやりましょうそれくらいの気持ちでいきましょうね!」