寺町通を闊歩していて足が痺れてきた。10分ほど歩くと足先からしびれ、しだいに歩いている感覚が麻痺して転倒することになる。脊柱管狭窄症の典型例だ。

歩道にちょうどいいイスをみつけてそこに座った。石材でイスにしては低く、少し大きい目だったが痺れの限界でやむなくおっちんした。3分ほどして痺れが消えたので立ち上がって座っていた場所をあらためて見直すと石にタテヨコの線が引かれている。まるで碁盤で、左右にイスらしきものがいかれていた。すぐ横に立札があるので見ると「囲碁発祥の地」と書かれていた。間違いなく碁盤をイメージしたモニユメントだったのである。

 

    

▲「どうぞ座ってください」といわれてるみたいで遠慮なく

本因坊は囲碁界の最高タイトルである。それを記念した石碑の上にどっかりと座ったのだ。表札には江戸時代、このあたりに寂光寺(別名を久遠寺)があり、寂光寺の塔頭「本因坊」に住んでいた僧侶の日海は囲碁の名人として有名だったそうである。

私は囲碁を打たないから、碁盤に座ってもバチが当たらないだろうが、囲碁に造詣が深い人が私の腰かけシーンを発見したらぶっ飛ばされていたかもしれない。

 それはそうと囲碁界で棋聖、聖、天元などを獲得している「令和三羽烏」のひとり一力遼氏は宮城県河北新報社の御曹司。プロ棋士でありながら河北新報社の新聞記者である。一族経営だからいずれは社主、社長になるだろうがプロ棋士が新聞社社長になるというのは聞いたことがない。

 2011年の東日本大震災以来、復興支援と称して河北新報社へは何度かお邪魔したが、本当にお邪魔虫だったと思う。