Greco Mirage M800,Ibanez IC210の話をして以来、

トリプルコイルピックアップの話ばっかりしていますが、

Greco Mirage M800を作った人と同じ時代のトリプルコイルピックアップを

採用したギターの話をしようと思います。

 

まずはヘイマー社から始めようと思います。

1970年代後半からのヘビーメタル系のギターが雑誌に

Gibsonの珍品ギター エクスプローラー(Explorer)と言えば、

大体オリジナルのコリーナ材の色、リイシューのシースルーレッドとか

赤とか白とかの色付きが一般的だったのですが、

チェリーサンバーストでバインディング付き

のエクスプローラーやフライングVが音楽雑誌の表紙を飾りだしました。

 

このころがディーン社(Dean)とかヘイマー社(Hamer)の名前が

普及した時代だったように思います。

 

今から思えば、シェクター(Schecter)がコンポーネントギターでFender

の市場に食い込んでいたようにヘイマーはGibson(ソリッドボディ)

の市場を狙っていたのだと思います。

 

 

そこで、ちょっと当時のヘイマー社のギターのシリーズ名について

語りたいと思います。

 

スタンダード(Standard)

Gibson変形ギターのExplorerのBodyシェイプをしていているのに

スタンダード」たぶん当時、ヘイマー社の中では標準的なBody

(注文が多い)だったのだと思う。

 

ベクター(Vector)

Gibson変形ギターの代表 フライングV(Frying V)の形に

レスポールスタンダードのバインディングと塗装を乗せた感じ。

名前は結構あってると思う。

 

サンバースト(Sunburst)

当時はまだGibson社からも出ていなかったと思う。

レスポール スタンダードをダブルカッタウェイにしたモデル。

(トップにアーチをつけたレスポールスペシャルダブルカッタウェイの形状)

レスポールスタンダードのカッコ良さをダブルカッタウェイにした

様な形。

でも名前が「サンバースト」なのは何故?(?_?)

(たぶんサンバースト塗装の注文が多かったのではないかと…)

コントロール系はエクスプローラーやフライングVを意識した

ヘイマー社の良くやる2V、1T。

スイッチについてはちょっと変わっていて、

MIXポジションがPHASE OUT(OUT-OF-PHASE)が

当時の標準仕様だったっぽいです。

(いわゆるピーターグリーントーン(Peter Green Tone)専用)

フロントとリアのボリュームが独立しているので、

Mixポジションでフロントのボリュームを変えるだけで

フロント優勢の音→フェイズアウトトーン→リア優勢の音と

変わるので遊び甲斐のある優れたコントロールだと思う。

 

スペシャル(Special)

Gibsonのレスポールスペシャル ダブルカッタウェイのBody

ネーミングについては常識的。コントロールはサンバーストと

同様のヘイマー式2V、1T。ピックアップの位相については

サンバーストと同様にOUT-OF-PHASEになっているかは不明。

 

プロトタイプ(Prototype)

Gibsonのレスポールジュニア ダブルカッタウェイのモデル?

Gibsonのリッパー、グラバー、G-3シリーズのギター版?のBodyに

トリプルコイルピックアップを1発積んでいます。

謎の多いモデルでのちにファントム(Phantom)と名前を変えて

消えて行ってしまうモデルです。

でも何故に「プロトタイプ」?(?_?)

(作った当初はプロトタイプで作ったんだと思う。でそのまま

名前が定着してしまったんではないかと…)

 

続きます。