☆ストーリー☆
『探偵朱雀十五 化身』藤木稟
昭和八年師走。軍港・東舞鶴から、北東へ数キロのところにある、小さな集落・馬耳村。
港に一人の男の死体が上がる。他所者のその男の顔は、輪郭が捻じ曲がり、左の目がつぶれて、村で言い伝えられている恐ろしい祟り神・砥笥貢神とそっくりだった。
ちょうどその頃、検察本部の視察調査で、ふたりの検事がやって来た。京都地方裁判所検事・桂万治と、最高裁判所検事で「総長のプリンス」と呼ばれる若き天才・朱雀十五だ。
軍港の監察長官・林田邦夫の息子、慎吾少年は朱雀の恐ろしいほどに冷たく美しい姿を見て、不穏なものを感じる。
そして、彼らがやってきてからというもの、放火、殺人と小さな村で次々に奇怪な事件が起こる。それは祟り神による呪いなのか。それとも祟り神の化身・朱雀の仕業か……?
『山魔の如き嗤うもの』三津田信三
忌み山で人目を避けるように暮らしていた一家が忽然と消えた。「しろじぞうさま、のーぼる」一人目の犠牲者が出た。「くろじぞうさま、さーぐる」二人目の犠牲者。村に残る「六地蔵様」の見立て殺人なのか、ならばどうして…「あかじぞうさま、こーもる」そして…。
六地蔵様にまつわる奇妙な童唄、消失と惨劇の忌み山。そこで刀城言耶が「見た」ものとは…。『首無の如き祟るもの』に続く渾身の書き下ろし長編。
まずは『化身』。
本当は藤木さんの『バチカン奇跡調査官』シリーズを読みたかったのですが、なかったのでこちらを借りてみました

戦前という不安定な情勢と、土着の信仰、朱雀という謎めいた検事…という要素が絡まって、なかなか面白かったです。砥笥貢神が何の神か…というくだりは、今ではすっかりお馴染みの「アレ」の神様で、するっと理解できました

ちょっと文章がくどかったかなと思いますが、結末もしんみりするものだったし、ゾッとする場面もあったりして、楽しめました。次は『バチカン奇跡調査官』シリーズを読むぞ~。
『山魔』。
冒頭の恐怖体験の手記を寝る前に読んでしまい、悪夢を見ました…
最後のほうで、この怪異現象に合理的な説明がされるので…余計にあの一夜を返せと言いたい(←逆ギレ)このシリーズは明るいときに読まなきゃダメだ。さて、内容は今回も面白かったです!刀城さんの推理の迷走っぷりに、また騙されました(笑)一作目と同じく、尤もらしい推理を一つずつ消していく…という方法だったので、納得した途端
「でも…」
と覆され混乱するという
まぁ、それがあったからこその見事などんでん返しだったから、いいか!(笑)最初のあの一文があったから油断してたなぁ。うむむ。トリックもなかなか大掛かりというか…「え!?」と思うようなものでしたが、無理矢理感はなかったです。むしろ目から鱗でしたね~。で、ある人の体験談が怖くて、またびくびくしながら読んだわけですが…ホント、生きてる人間が一番怖い。
何だか戦前~戦後を舞台にした作品が続いたなぁ。そろそろ現代に戻ろうと思います

60、61
『探偵朱雀十五 化身』藤木稟
徳間書店
『山魔の如き嗤うもの』三津田信三
原書房