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☆ストーリー☆
安政五年、井伊直弼に謀られ、南津和野藩士五十一人と、美しく才気溢れる姫・美雪が脱出不可能なコウ神岳山頂に幽閉された。直弼の要求は姫の「心」、与えられた時間は一ヶ月。刀を奪われ、逃げ道を塞がれた男達は、密かに穴を掘り始めたが、極限状態での作業は困難を極める……。恋、友情、誇りが胸を熱くする、痛快!驚愕!感動の娯楽大作。


憎い…長野主膳が憎い…!後半はそんな気持ちでいっぱいでした(笑)
いやー、面白かった、一気読みですニコニコまさか、時代物でこういう話が読めるとは。ドキドキしたし、ちょっと泣けたし、まさにエンターテイメント小説。舞台が幕末で、歴史上で有名な人が登場している、というのがまた面白い。

井伊直弼って、あまりいい印象がないのですが、この小説では生い立ちなども書かれていて、ちょっとイメージが変わりました。初めて知ることも多かったですしね。
井伊直弼は、昔の恋と所詮部屋住み、と馬鹿にされたことをずーっと忘れられない、かなりしつこいおじさん(強大な権力付き)って感じで、実に憎らしいのは直弼の臣下の長野主膳でした。この…蛇野郎…!(作中、彼は蛇に例えられてたのです)
この二人がどのように美雪姫を手に入れるかを相談してる下りなんて、鳥肌立ちましたよシラー嫌だな、権力者って。

それに立ち向かう、南津和野藩士の方々は、立派でした!現代では通用しなくなっている、「忠義」という言葉を貫いてました。美雪姫のために、命を賭ける姿…確かに古くて忌むべき部分もありますが、やっぱり武士道って凄いです。この考え方が普通だったんだなぁ。

最後はかなり驚く展開で、これはアリか?と考えましたが、面白かったのでいいかなと(笑)桜庭さんと美雪姫の絆や、桜庭さんと鮫島さんの友情にジーンとしましたニコニコ

井伊直弼の最期は有名ですが、蛇野郎…あ、いや長野主膳がどうなったかもさらりと書いてあります。実際はどんな人だったか分からないけど、敵ながら随分と印象深い人でした(笑)
あ、そういえば南津和野藩って、ホントにあったのかな…?今度調べてみよう。


82『安政五年の大脱走』五十嵐貴久
幻冬舎文庫