☆ストーリー☆
「全能にして全知の存在から電波を受信している私を妨害しないで頂きたい」――静かな地方都市で奇妙な怪文書が見つかる。それは、あたかも同市で発生した通り魔殺人の犯行声明のようであった。その後第二、第三の通り魔殺人が起こるごとに、バラ撤かれる「電波系」怪文書。果たして犯人の真の目的は?互いに無関係に思える被害者達を結ぶ、ミッシング・リンクは存在するのか…。本格ミステリの歴史に燦然と輝く、第一回本格ミステリ大賞受賞作。
倉知さんは、日常の謎を扱う猫丸先輩シリーズが有名ですが、この作品はシリーズ外でおまけに殺人事件もの。なかなか楽しめました。ちょっと長すぎるかな~とは思いましたが、被害者を繋ぐ糸が全く分からなかったり、日常生活を送る人と犯人に命を奪われてしまう人との対比もうまかったです。
何より、正太郎の話した「壺中の天」話が、ホントに大きく頷いてしまうぐらい、よくて。誰しもが持っている「壺」の存在が、どれだけの支えになってることか。私だったら本や漫画、舞台になるんだろうな。
犯人の考え方は、私から見るとただの「狂気」ですが、彼にとっては至って普通のことで。そのズレが怖かったです。被害者たちを繋いだ糸に絡む「狂気」が一番ぞっとしました。
これ、文庫は絶版みたいですね~。惜しいなぁ(>_<)
