《望郷のバラード》 | 日々雑記

日々雑記

日々の備忘ですよん


発表会が終わって、次の曲にと先生に提案していただいたのは、19世紀末のルーマニアの作曲家、ポルムベスクの《望郷のバラード》という曲でした。
協奏曲が続くのは大変だから、との仰せでしたが、これはバイオリニストの天満敦子さんがよくコンサートで弾いていらっしゃる曲のようです。
娘も私も初めて聴く曲なので、ちょっと調べてみました。

作曲者のポルムベスクは愛国者であったらしく、オーストリア・ハンガリー帝国に支配されていた祖国ルーマニアの独立運動に参加して逮捕投獄され、この曲は獄中で故郷を偲び、恋人に思いを馳せながら書かれたのだそうです。
でも29歳の若さで薄幸の生涯を閉じた、なんて…

書き写しているだけでも胸が締め付けられるようなお話ですが、しかし哀切感が濃厚に漂うこの曲、現代っ子でしかも「フニャフニャちゃん」の異名を取る娘が弾いてもいいものなのでしょうか…?いえ、弾けるようになるのでしょうか?

先生もご自身が50年ほど前にオーストリアに留学していた頃の命辛々な体験などをお話ししてくださったりしたらしいのですが、一体この娘にどこまで届くものでしょう?
同じ経験をするわけにもいきませんしね。
もうこれは『表現力』について考えるレッスンなのかしら、とも思ってみたり…(^^;;

ワタクシも本や映画で見聞きしたレジスタンス運動の話などしてみるのですが、なかなかねえ…
どうしても「弾いてるだけ」な音になってしまって、
「もうさ、眉間にシワ寄せてさ、く、苦しい〜、て感じで弾いてみたら?」
なんて乱暴なアドバイスしてみたり…笑
でもカタチから入れば、「そのように」聴こえる、ということもなくもないかも知れませんし…(く、苦しい…笑)

バイオリンといえば小さい頃に才能が発現してしまう分野だと思うのですが、世の天才少年少女はそういう人生経験が必要とされるような曲をどうやって弾きこなしていくのでしょう?

取り敢えず娘には『アンネの日記』から勧めてみようかな…と思ったのですが、
「あ、それ小学校の時に一瞬で読んだ!」
ですと…
あのねえ、「一瞬」てそんなわけないでしょう⁈
それに、あなたが読んだのは少年少女向けの読み物であってですね、アンネ自身の言葉ではなかったと思いますよっ!

もう先が思いやられます…叫び