秘密の通路

 

 

こちらの記事の続きです。

 

 

 

祖父の家について、もう一つ不思議な記憶があります。

 

幻のアパートに迷い込むより以前の

さらに幼いころの話です。

 

時計時計時計

 

祖父の家の2階には、従姉の部屋がありました。

 

従姉が留守の時、私はこっそり忍び込み

彼女の服やアクセサリーリボンを体に当てて

鏡に映したり

化粧品を眺めたりして遊んでいました。

 

 

ある日、従姉の部屋の押し入れだったか

洋服ダンスだったか、

服がごちゃごちゃと詰め込まれた空間に

もぐりこんで

ひとりでかくれんぼをしていた時のこと。

 

ふと見ると

足元にぽっかりと穴が開いていました。

私は興味津々で穴に入ってみたのです。

 

穴は子ども一人がやっと通れる程度の大きさ。

すぐ、底に足が着くと

そこから地下通路のような道

伸びていました。

 

細い通路をどんどん進んでいくと

間もなく地上へつながる出口に到着。

 

よいしょと這い出て、あたりを見回すと

そこは祖父宅の前の道路でした。

 

左手に祖父の小料理店。

右手に、おとなりの美容室のガラス扉が

見えます。

 

私は

おじいちゃんの家と道路は

地下の通路でつながっていたんだ~!?

と、驚きました。

 

見慣れたその風景をしばらく

眺めているうちに

ふと、妙なことに気が付きました。

 

人が誰もいないのです。

 

道路にも美容室の店内にも

自分以外の人間が一人もいません。

 

祖父宅の前は、そこそこ大きな通りで

小料理店や美容室のほかにも

民家や駐車場、駄菓子屋などがありました。

 

 

ふだんは人や車、野良猫の姿などが

見えるのですが

その時は生活の気配が全く感じられず

物音ひとつしません。

 

まるで街全体から生き物が全て

消えてしまったようです。

 

私は、なんとなく

なんか違う世界に来てしまった汗うさぎ

と感じ、祖父宅の玄関へ向かおうとしました。

 

しかしすぐに、

今来た通りの道を戻らなければ!

と思ったのです。

 

そうしないと、なぜか元に戻れない気がして

急いでまた穴に入り、地下通路を通って

従姉の部屋へ帰りました。

 

 

時計時計時計

 

この話は、かなり昔の出来事で

記憶があやふやな部分も多く

私は長い間、夢なのか現実なのか

わからずにいました。

 

実際にはあり得ない話なので

おそらく従姉の部屋で昼寝してふとん1

夢でも見たのだろうと思っていましたが…。

 

最近、YTなどで

パラレルワールドへ行った人の話を聞くと

・人がいない、物音がしない

・来た道を逆にたどると元の世界へ戻れる

といった点が一致します。

 

うーん…真顔