小さな悦びと大きな悲しみ | ダニエルのBEEGEEなブログ

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大好きなTHE BEE GEESのALBUMや情報について、思うままにつれづれと。愛蔵盤で振り返るBEE GEESの軌跡を紹介したい。

 ロクを引き取って3カ月が過ぎた。2カ月を過ぎた頃から寝室にロク用の寝床を作って同じ部屋で眠りにつくことにした。起床は5時。そして散歩という生活リズムも定着しつつある。それでも、ロクはベタベタとなつくことはないし、どんな時も冷めた視線だ。

 そんなある日、寝床に横になりながらスマホでワンちゃんのいろいろな動画を観ていた。その中に生まれたばかりの4,5匹の赤んぼ犬が母犬の乳を求めてアンアンと泣き叫ぶ動画があったのだが、驚いたことにこのスマホのスピーカーから出る子犬の「叫び」にロクが大いに反応した。真剣な眼差しでいきなり私のベッドに近寄って来て、あたりをキョロキョロと探しながら「クウン、クウン」と不安そうな様子で、訴えたかと思ったら部屋のあちこちを探し始めたのだった。

 そうだ、そうなのだ。今さらだが、ロクは繁殖犬だったのだ。子を持ち、育てるという母犬の悦びの最中に恐らくは何度も子犬と引き離されたのだろうと思う。「あっ」って気が付いてホント胸が熱くなった。無神経だった。それにしても、初めてみたロクの母の顔。「慟哭」とまではいかないだろうが、その真剣な眼差しと態度を初めて見た私には衝撃的な光景だった。

 そんなロクだが、ちょっとした悦びもあった。散歩の際、中継地点で私は時々ベンチに腰掛けてスマホと戯れたり、屈伸運動をしたりするのだが、そんな時、いつもロクは「早く行こうよ」ってリードを引っ張るのが常だった。それが、初めて伏せの状態で私の動作が終わるのを大人しく待っていた。もちろん強制はしていない。(写真下)進歩というべきか。ちょっとだけ心が弾んだ。

 世の中と完全に遮断して生きているわけではないので当然ながら「ウクライナ戦争」が始まって以来、どうも心が晴れない。21世紀になってさえ、領土に野心を持った1人の為政者の独裁によって1国への武力侵略が現実化した。コロナが蔓延した現在の状況でだ。外からの情報を一切遮断し、自らの政治的主張だけをプロパガンダとして放送する狡猾さ。

 さらにロシア軍は「子供たち」と大きく示された建物をも爆破したという。死んでしまった我が子への涙や誓いは当事者にしか理解できないとは思うが、少なからずあるのは同情と怒りのみだ。子供たちの笑顔だけが親の幸せではないのか?

 「オデッサ」攻略などと聞けば、BEE GEESのファンはあの冒頭の悲し気な同名曲の冒頭の旋律を思い浮かべてしまうだろう。けど、たまたまかけたCDでスピーカーから流れてきたBEE GEESの曲は「BUNBURY AFTERNOON」だった。いつもなら楽しく幸せを感じる曲なのだが、とても複雑な気持ちになってしまった。

 

 親と子。母と子。そりゃあ、いつかは分かれは来るものだが、無理矢理に誰かの間違った思惑で取り返しのつかない命を奪う「愚」だけは繰り返してはいけない。これはつまり「戦争」のことなのだが。

 

敢えてこの曲を張り付けてみます。顰蹙を買うかもですが。

 

子供たちの命を奪わないで! 歴史を繰り返さないで!