上岡龍太郎さん | ほどほどに

ほどほどに

ただただ好きなこと
好きなもの日々のことを

台風2号

また今年も自然災害のニュースが流れてくる。

もちろん他人事ではない状況にもなる。

水の恐ろしさ。

水の大切さと恐ろしさとどちらも強大で。

どうか被害が増えませんように。



上岡龍太郎さんが亡くなられました。

81歳。

闘病されていたのですね。


上岡さんが引退されてから20年以上がたっています。数々のレギュラー番組を持ち、大活躍の真っ只中での引退でした。


私はすごく好きでした。

知的なダンディーな品の良い雰囲気。

反して昔ながらの芸人の荒々しさや火傷や切り傷を作られそうな切れ味。

黙々とマラソンを続けたり、毎日のネクタイや食事の記録、その他様々な事柄を記録しているなどメモ魔である一面。

どれが本当の姿なのかわからない感じが魅力的でした。


物の考え方、言葉のチョイス、テンポ、センス。

どれもがものすごく素敵に見えて表師匠と呼んでいました(笑)

裏師匠はやしきたかじんさん(笑)


説得力たっぷりに論破していく姿も、そのほとんどはその時ばったりでテキトーなのでは?とクスッとさせるところも面白かったです。

それでいて笑いを混ぜながらふと緩みと隙間を与えるテクニック。

滑舌の良さもあいまって見事でした。


三谷幸喜さんが以前なにかで語っていた、横山ノックさんのお別れの会のスピーチの素晴らしさ。

私もあのスピーチの凄みには当時感動しました。

あれは漫談でした。

ノックさんにだけ聞かせる最後の漫談。

カンペはちょこちょこあったと思いますが、すでに引退後に切れの良さのかわりなさにうなりました。


印象的なのは伝説となっている霊能者との対決。上岡さんはオカルトのようなものをとても嫌っていたので、霊能者と名乗る人たちに容赦ない切り込み方をしていました。

面白かったですねー。

幼少期にオカルトを憎むようになる出来事があったとか噂もありましたが、明らかに胡散臭いことを述べて生業にして弱い人を騙している(と思われる)人への攻撃は迫力ありました。

でもやっぱり芸人の本分を忘れず、なんかちょこっとゆるめるんですよね。

見惚れていましたね。


上岡さんが使った言葉で知り、今でも日常に使う言葉は「かんしょやみ」

字はわからないし発音も違うかもしれませんが、ザックリ言うと細かいことにやけにこだわる(こだわり続ける)性分のような意味だと思います。上岡さんが例に出していたのは鼻毛を切っていたら止まらなくなって鼻血が出るまでやるとか(笑)

本を背の順に並べる、お札をお札毎に分け同じ向きにするなど(笑)

洗濯ハンガーとピンチの色を揃えたりバランス考えたりしてる時、あーかんしょやみやわぁって心の中で思います。

その度に上岡さんを思い出していました。


同じ阪神ファンで(後にやめたけど😭)

頼もしかったり。


年を取るにつれて芸がついていかなくなるのが怖くて、奥さんに「時代から遅れてるなって感じたら言うてな。」って言ったら「今やで」って言われて引退することにしたって聞いた記憶があります。引き際も潔かった。

でも引退理由のエピソードも様々あることから、その時ばったりで煙に巻いていたような気もします(笑)


敵も味方もたくさん作って生きてきたのだろうなぁ。


映画監督の息子さんのコメントが実に素晴らしくて。

こんな素敵なコメントでご家族に幕を引いてもらえるなんて、やっぱり上岡さんはずーっと上岡さんのままで幸せだなと思いました。



一部抜粋


とにかく矛盾の塊のような人でした。父と子 なんてそんなものかもしれませんが、本心を 窺い知ることは死ぬまでついに叶わなかった

ような気もします。

弱みを見せず格好つけて口先三寸......。 運と縁に恵まれて勝ち逃げできた幸せな人生だっ たと思います。 縁を授けてくださった皆様方 に深く感謝いたします。



上岡さん、お疲れ様でした。

ご冥福をお祈りいたします。