すべて霧の中 | ほどほどに

ほどほどに

ただただ好きなこと
好きなもの日々のことを

すべて霧の中        作詞 来生えつこ 作曲 来生たかお

 

白い霧が地面を這う あなたがかすんで

並木の道 振り向きもせず歩いてゆく

夜明け間近気配がして 佇むあなたが

さよならと言葉をにごしドアを閉めた

裸足のまま追いかけても 夢と区別がつかなくて

冷えた足をさすりながら ぼんやりと並木にもたれ

古い映画思い出してる

 

またまたLABYRINTHⅡからです。

しっとりとした切ない曲が多くて、どれもじっくり聞いてしまいます。

この曲もアレンジも美しくて、淡々とさえ聞こえるシンプルなメロディーに陰影がついています。

ですが・・・・

これまたノーブレスで一気にラストになだれ込むのです。

罪な雨は緊迫感をあおるような効果があったノーブレスですが、

それよりもさらっと歌うことで、別れの場面で頭の中を目まぐるしく駆け巡る心が感じられるような気がします。

 

「さよなら」を告げられて「えっ?ちょっと待って」と追いかける。

これって夢?現実?あぁ裸足だった・・・足が冷たい…

そうだこんな場面昔見た映画にあったなぁ。とつらさから離れた発想をして逃避しているような。

またはこんな時なのに全く関係ない古い映画を思い出してしまう心理なのかどっちかなぁと考えます。

どちらもわかる。

なんで今他人事のように古い映画なんか思い出しているんだろう

という感じ。

 

さすらうことも恋なんて ひとりよがりのセリフだわ

いつもすねて横を向いて むなしさを漂わせても

あなた一人じゃいられないはず

 

このあたりのたゆたうような歌唱が本当に素敵。

 

 

世界観は歌詞が描くものがわかりやすいかもしれません。

でも来生姉弟の作品は、メロディーの描く世界観を活かす歌詞

がついているところが本当にうまい。ノーブレスもそうですが転調やリフレインや様々を、意味のある効果として歌詞が活かす。

これって当たり前のようであたりまえでない気がします。

 

来生さんが田原俊彦さんに提供した「ライバルは二度ノックする」

という曲の作詞は阿久悠さんです。

来生さんらしい洗練された雰囲気の素敵な曲です。

阿久さんはサビからのくりかえしを全部同じ歌詞の繰り返しにしています。両方のファンだった(来生さんもトシちゃんも)私は

ふざけんな!と思ったものです。そこにドラマを展開させないでどーする!ただの繰り返しと違うぞ!きっとえつこさんなら・・・・

などと思っていました。

ごめんね、阿久さん。

でも今聞いてもやっぱり思う。

えつこさんなら・・・・