たそがれの苺 作詞 来生えつこ 作曲 来生たかお
一皿の苺を分け合い ほろ苦い思いかみしめて
くれないにそまる 西の空眺め
二人はほのかな 夢を食べていた
ぎこちないプロポーズ ただ若さだけが
心をかりたて 一途に愛を信じてた
印象的なタイトルです。
黄昏と苺。
後に歌詞にも出てきますが、苺色の空。
陰っていく関係と、まだ残っているかもしれない
みずみずしさを黄昏と苺で表しているのでしょうか。
そんな歌詞だけど、メロディーはどこどこまでもおだやか。
声はただただ優しい。
来生さんは少し突き放した歌い方も魅力的なシンガーだと思っていますが、この歌はそこはあまり感じません。
もちろん多様な魅力をお持ちだし、歌によって世界観は違うので
違ってくるのは当たり前です。
テーブルに向き合ってただ遠い目つき
傷つく心の苦さを 知りつくしたあと
一皿の苺には 今ほんの記憶
それでも季節の果実は 心救うよう
ひとさじシュガーのきらめき
望みをたくして
こんなにほろ苦い歌詞なのですが、救いや希望をにじませて
エンディングとなっています。
砂糖ではなくてシュガーの白いきらめきのカット。
黄昏との対比になって希望が見えます。
本当に希望なのか、すぐに消える希望なのかは
まだわからないまま。
だからこの声がしみてくる。
だからこのメロディーに救われる。
曲・歌詞・歌声の完全な組み合った形。
すごいクリエイターだなと改めて思います。
たそがれの苺に、コンデンスミルクをかけて―甘い食卓に並べて―・・・・などと笑点みたいな遊びしてたなぁ‥結構いい歳で(笑)