10月に入ってから、
「有休を取りなさいよー」という上司の言葉を
彼との時間に充てようと、もったいぶっていた。
でも彼は忙しくて、お休みを取ってまで
私と遊んでる暇なんかない。
ならば!
と思いつきで彼のワンルームのお掃除に行こうと計画。
彼には内緒で。
驚かせたいのが半分。
もう半分は「来なくていい」と言われるのが怖くて。
いや…四分六分だな。。
だったので強行決行。
朝、彼が会社に出かけてしまう前にピンポンを鳴らしてしまえ。
来たものを追い返しはしないだろう。
前日に、お掃除グッズや彼の部屋に足りないであろう物を
パパッとお買い物。
それがまた楽しいのなんの。
ぜーんぶ100円ショップだけど(笑)
彼がいつもより早く会社に行ってしまったら
何もかもおじゃんになってしまうので
「明日の朝、どうしても話したいことがあるんだけど
早く会社に行かなくちゃいけない用事とかないよね?」
と探りを入れる。
準備完了。
朝、彼のマンションに着き電話を入れる。
よし。いつも出社途中に電話する時間と一緒だ。
カンペキ★
怒るかなぁ。。
ものっそい迷惑な顔されたらどうしよう。。
と思いつつ。
「おはよう。」
『おはよ。…どした?話しって何…?』
「うん。。怒らん?」
『分かるか!言ってみ。』
「今日ね・・・、清掃会社の人がそこに行くと思うよ」
『……は?なになに?』
「貴方が会社に行く前に行くように言ってあるから
そろそろ着く頃だと思うんだけど・・・」
『は?なに?』
ピンポ~ン
彼の部屋のドアが開く。
チラッと私の顔を見てドアを閉め、奥に引っ込んでしまった。
怒ったかな?
「お邪魔しまーす」
『仕事は?』
「有休です。」
『も~ぉ。。何の話かと思って心配したじゃん。。』
「ごめんね。。怒った?」
『も~ぉ。。仕事行きたくなくなったやん。』
「ダメダメ。今日は忙しいでしょ。」←彼のスケジュール確認済み(笑)
初めて彼を「行ってらっしゃい」とキスで見送る。
お布団を干して、床を拭く。
昨日疲れてそのまま眠っちゃったんだな。。と思わせる
飲みかけのビールが入ったグラスを洗う。
ユニットバスの掃除をしながら
しばらく奥さんが来てないんだな…なんてホッとする。
彼が家から持ってきてた着替えをクローゼットになおす。
パンツやソックスを私の畳み方にわざわざ変えて(笑)
彼が私のことを思い出しますように。
せめてこの部屋に居る時くらいは・・・。
彼の目に留まる所々に、私の存在をちょっと置く。
何もかもが楽しくて。
彼が少しでも気持ちよく過ごせるように
その事のお手伝いができる事がすごく嬉しくて。
疲れて帰った時に、ワンルームでもゆったり過ごせますように。。
仕事途中、ちょっと帰ってきた彼が
『うわぁ!すげぇ。…こりゃぁ、どう見ても女がいる部屋だな(笑)』
と喜びの合間にほんの一瞬困惑した顔を見せた。
「奥さんが来る時にはグチャグチャってしなねー。」
彼は「そんなつもりで言ったんじゃないんだよ」という顔をしたけど
何も言わなかった。
「帰るとき、一応連絡するけどカギ、どうしよっか。」
朝、2本あるから大丈夫、と1本を私に預けてくれた。
「カギ閉めてから、ドアポストに落としとこうか?」
『ああ、そうやね。そうしてもらおうか。』
・・・「持ってていいよ^^」 とは言ってもらえなかった。。
当たり前か(^^;)
もう、ここまでやったんだからやりついで。
自分が納得いくまでおもてなししてやる(笑)
一人用のお鍋を用意して、火をつければ食べられるようにセットする。
グラスも置いて、タバコとライターも灰皿と共に。
夢のような時間は終わり。
「おかえりなさい」は言えなかった。
置手紙を残して帰ろう。
【お仕事お疲れ様でした。
一回でいいから、彼女らしい事してみたかったんだ^^
楽しかった。ありがとう。】
本音を言えば、嘘でもいいから女房じみた事がしたくて
でも、それは言っちゃいけない言葉だと思ったから
あえて、せっかく「彼女らしい事」って書いたのに、
帰り道、彼から来たメールには
【 ほんのひとときでもめおとになれたきがした】
なぜか全部ひらがなで来たその言葉には
彼の精一杯の照れ隠しが入ってるようで
とってもとっても切なくなった。
彼と私の生活が交わる事は、永遠にない。
彼の生活と私の生活は一生平行線上にあるんだ。
分かっているけど…
だったらせめて同じスピードで歩こうね。
横を見たら真っ直ぐ進んでるお互いが確認できるように。
おままごとみたいな一日。
ちょっぴり新婚さん気分を味わえた一日。
彼の奥さんには…到底かなわないけれど、
彼女らしいことができたかなって思えた一日。
迷惑がらないで、嬉しそうにしてくれて
どうもありがとう。
とても充実して幸せな一日でした。。
切なさと共に・・・