文藝春秋 1995円(税込)
(多少のネタバレを含みます)
久しぶりの横山秀夫の新刊。
この人の本はほとんど読んでいると思う。大好きな作家の一人。
相変わらず警察内部での人間関係を濃厚に描いている。
ミステリーとしてはいくつかのどんでん返しは総じて上手くいっているが、
主人公三上にとっての最も重要と思われる問題は、なんということか最後まで解決されないのであった。
家族愛を散々煽っておいて、最後まで主人公の家族は救わないという…
普通は、物語の初めから存在する、主人公の身近な問題は
いずれは本筋と絡み、驚きと共に解決してカタルシス、ってのが娯楽小説なのではあるまいか。
それを期待して読んでいたので正直肩すかしであった。
と、書いていて思う。そうかこれは娯楽小説ではないのか。
☆☆