ホントに書けない子のための作文攻略です。
ニコがどういうところからスタートして練習していったか、具体的に書き連ねてみました。
市販の作文系教材ではなかなか成果が上がらない子の参考になれば、と思います。
一気に書いたので長文です。
興味のある方のみ、お付き合いください。
作文課題には主に二つのパターンがあります。
一つは提示された文章や資料をふまえて自分の考えを書くというパターン、もう一つは提示されたテーマをもとに自分の考えを書くというパターンです。
(ニコの志望校の場合は後者だったので、今回はこのパターンでの説明になります)
作文を書くにあたって長文を読んで理解する過程は必要ないので、単純に色んなテーマについて書く練習をしておくことにしました。
攻略を考える上でまず気になったのが、おそらく採点は減点方式だろうということ。
だとすると、作文苦手層には朗報かもしれません。
内容の良し悪しでの加点があまり期待できないということは、逆に考えると、素晴らしい内容を書けなくても影響少ないってことですよね?
つまり平凡な内容でもOK、減点されないことが重要ということです
ただ、条件を満たしていない場合や文法間違い、誤字脱字などは100%減点対象なので、しっかり押さえておきたいところです。
そして当たり前と言えば当たり前なのですが、採点者が作文を読むのは一回きりだということ。
練習時の作文で、同じような意見を述べ、同じような経験を紹介し、同じような結論に至っていたとしても、試験当日の作文を読んだ採点者がそれを知ることはありません。
昨日と同じ内容を、今日も明日も書いていい。
使いまわせるエピソードで「またこのネタか!」と笑うことになるのは毎回添削する親だけなので、思う存分笑わせてもらいましょう
まずは目指す作文の型を決めておきます。
私はこう思う。(意見・結論)
なぜなら◯◯だからだ。(理由)
以前こんなことがあって、こう思った。(経験)
だから、私はこうだと思う。(再度結論)
テーマ系の作文は大体この型でいけるんじゃないでしょうか。
ただ、「こんな感じで」と言われてもすんなり書けるわけがないですよね。
作文苦手なんだから
なので、ニコにはできるだけできるだけハードルを極限まで下げた状態からスタートしてもらいました。
ゼロからの作文攻略・進め方まとめ
- 「結論+理由」に慣れる
- 「理由」に一文追加する
- お題を実用性、汎用性の高いものにちょっと寄せる
- エピソードを追加し、再度結論でまとめる
1. 「結論+理由」だけ
お題に対して条件は2つ。
まず結論を書く。
次に理由を書く。
以上!
書けてる感を出すために原稿用紙は200字のものを使いましたが、文字数は問いません。
当然二文しか書かないでしょうが、結論と理由が書けていれば、まぁOKです。
「私の好きなおかずは卵焼きです。
なぜなら、おいしいからです。」
くらいの適当さでも十分です。
中受を考えてる子がこのレベルで大丈夫?とちょっと心配になるところですが、とりあえず見守りましょう
はじめは、とにかく文章を書くことに対する抵抗を無くすことが目的なので。
お題も難しい内容ではなく、「好きなおかずは?」とか「AとB(漫画のキャラ)ではどちらが強いと思う?」など、楽しかったりくだらなかったりするような内容にしました
ニコにはこの条件だけで、しばらく書いてもらいました。
こんなのでいいなら余裕で書けるよ!と良い気になるニコ。
こんなのでいいわけないやろ!と心の中でツッコミつつ、ハードルを一つ上げます。
2. 一文追加
理由にもう一文追加します。
今回も文字数は問いませんが、一文追加するというだけで結構悩み始めます。
とは言え、内容も文字数も問わない緩めの条件なので、そのうちに、割と適当に付け加えてくるようになります。
先の例文に加えるとして、
「私は、だし巻き卵が一番好きです。」
でもいいし、
「だから、お弁当に入っているととてもうれしいです。」
みたいなのでもいいです。
いいんですよ、適当で。
とにかく頭に浮かんだ考えを、文章としてアウトプットすることが大事だから。
この条件でも、しばらく書いてもらいました。
文法や漢字の間違いは指摘しますが、それ以外のチェックは大甘です。
短くてもくだらなくても構わないので、これくらいなら書けると思える範囲でどんどん練習しました。
そして、それにも慣れてきたところで、さりげなくお題を受験仕様に寄せていきます。
3. 実用性、汎用性の高いテーマへ
はじめは書きやすさを重視して、「好きなおかずは?」とか「好きなキャラは?」とか書いていたわけですが、さすがに本番でそのテーマはないですよね
かと言って、急に「持続可能な社会を実現するために自分ができること」とか「あなたにとって学ぶとはどういうことですか」みたいな小難しいことをお題にしたところで、書けるわけがないです
「小学校で心に残った学校行事は?」とか「中学校で入りたい部活は?」みたいに、さりげなく、徐々に、受験仕様に近いテーマを混ぜていく感じです。
4. エピソード追加
最後にして最大の難関、エピソードの追加です。
「そんなの思いつかない」とか「そんな経験ない」とか言われないよう、なるべく書けそうなお題をチョイス。
その時気をつけたいのが、できるだけ汎用性の高いエピソードが書けそうなテーマで書いてもらうということです。
例えば、「心に残った学校行事」というエピソードに、運動会でのリレーで頑張ったことを書いたとします。
多分、この運動会のエピソードは、「頑張ったこと」でも「努力で得られたもの」でも「助け合うことの大切さ」でも「自分にとって友達とは」でも、多少アレンジするだけで使いまわすことができそうな気がします。
自分の経験を交えて書くのは意外と難しいので、一度思いついたエピソードは何度でも使いまわす前提でいきましょう!
でも、どんなに書きやすそうなお題を考えてあげても、やっぱりはじめは書けないと思います。
(今までと比べて、いきなりハードルが高いですからね…。)
そういうときには助け舟です。
「例えば、こういう経験ってない?もしあったら、こんな感じで書けるよ!」というふうに具体的に提案したり、私が実際に作文例を書いてみせたりしました。
ニコはいつも最初は「思いつかない!」と言っていましたが、それでも私が「こういう経験はない?」と促すと、「……あ、あるかも!」と大抵は何かを思い出していました。
数ある自分の経験や知識の中から「使えるエピソード」となり得るものを見つけ出すという作業にも、ある程度の経験とセンスが必要だと思います。
作文を苦手とする小学生に短期間でその技術を身につけさせるのは容易ではありません。
(というか、無理でしょう)
でも、ヒントを出せば「使い勝手の良さそうなエピソード」を予め見つけ出しておくことはできるし、同じエピソードを使って(異なるテーマで)何度も作文を書いていくうちに、そのエピソードをある程度使いまわすことも覚えていきます。
はじめは親の書いた例文を真似るだけでもいいと思います。
回数を重ねればきちんと自分の経験談として、そのエピソードを自分の引き出しにしまうことができると思います。
作文を書く時、おそらく最も行き詰まりやすいのが、この「経験や具体例のエピソード」だと思うので、作文苦手な子の場合は特に、その子との会話の中からエピソードを見つけ出す手伝いをしてあげるのが有効かなと思いました。
使いまわせるエピソードを前もっていくつか探してストックしておくことを、ぜひぜひおすすめします
さて、エピソードをなんとか追加できたら、もうゴールは目の前。
再度結論でサンドイッチ構文にしてまとめます。
作文苦手な子にあるあるなのが、書き進めていくうちにはじめの主張と異なる方向に着地してしまって、何が言いたいのかよくわからない作文になってしまうというパターン
はじめと同じ結論を最後にも持ってきてサンドイッチにすることを意識すると、途中のエピソードがズレた内容になっていた時、「同じ結論にならない。なんだか書いてることと違う」という状況に自分で気が付きやすいです。
作文の主張がブレてしまうと減点なので、気をつけましょう。
あとはひたすら練習です。
一朝一夕で身につくものでもないので、あせりは禁物。
作文ばかり詰めすぎても嫌になるだけだし、のんびり長期戦です。
ニコは5年生の一年間で主に週末に作文に取り組み、6年生に進級と同時に家庭での作文練習を終了しました。
結論
一年あれば、そこそこ書けるようになりますよ!