「行かないでくれ」 ガールフレンドでもないのにね
気付いたら泣きながらその細い膝へ子供の様に縋り付いていた
「私が手を差し伸べてあげないと アフリカの人達が救われないの」
そう言って僕の悲しみを振り解き 飛行機へ乗って旅立ったあの娘は
5年もしたらズタボロになって帰って来た
御世話をしてた現地の男達に 馬乗りになられて犯されたんだ
慈善団体に入ってからは
昔の様な後ろ向きな心 遠くの風に乗りふき飛んでしまったかの様で
悔しいけど 明るく輝き放って見える その直向きさに凄く魅せられてた
虚ろで華奢で素顔も笑顔も見た事なかった そんな彼女変わったから
それも今となっては遠い過去の ぼんやりとした悲しい物語
日本人へはとても厳しく 外国人へは 若いその身を犠牲にしてでも
尽くしてあげなさい 教えてあげなさい
ついでにお金もたくさん差し出して 時々娼婦になってあげなさい
全てがそうではないと思うけど 総理大臣達はそう謳ってる様に見える
日本人はなんとかやっているのに まだまだギリシャ達に支援しますと
あげればあげる程集られるだけなのに 都合良く甘えられるだけなのに
分かっているのに振る舞い続ける/手を差し伸べる
政治家達の多くは皆 本当に日本人なんだろうか
そんな考えさえ思い浮かんで拭いながら もたれる彼女の頬を見ると
あの時よりしょっぱい涙は止まらない
それなのに この瞬間だって流れてるはずの 血潮も時もこの悲しみも
感覚はなんとなく鈍いだけ 考えてしまうとやりきれなさと怒りだけ
僕にトラヴィスへなれっていうのか 素敵なとこだよ日本ってとこは