テーマ:☆言寺
キャラメルのおまけは大人にゃ必要ない
別に勿体ぶってガラスケースにしまっておくものでもないだろ
もっと気にしなきゃならないことたくさんある筈
今年も12月になれば
サンタのおじさんは大忙しさ
だから本当は不景気なんかじゃないんだろうね
誰もわかっちゃいないと思うよ
ぼやきの波は伝染するだけ
あんたがしてる矯正歯は
俺のメガネのフレームよりも何倍も輝いて見える
家は大きくて食うもんもそこそこ
それじゃエンゲル係数が高いなんて言わないぜ
心まで貧しくなりたくないね
そんな言葉を堂々と並びたてる奴
そんなのは一切信用しない
風の音に紛れるように口笛を吹いているのは
何かを誤魔化そうとしているだけさ
その何かを詮索しようとしても
あんたにゃ到底無理な話さ
お金に融通の利く人生なんてあるのかな
先生方達のように送りたいもんだ
長い間それに耐えてりゃ
その後にはきっと良い事がある
そうでも思わなきゃやってられない
そんな気持ちも分からなくはないけど
孫の世代になってからなんて俺は嫌なのさ
自分勝手で構わないよ
俺に会釈はいらないぜ
握手もハグも求めちゃいない
子供なのさ
ずっと変わらない
生まれた時から我儘で通ってる
本当はそのおまけいらないんだろ
どうせそのうちいらなくなるんだろ
カフェオレの糖分は気にするくせに
一日に何杯も飲んじゃ同じさ
豊かになりたいもんだ心の底から
秋になれば一面が金色の稲穂
そんな広大な土地の地主とかいいよな
頭のゆるそうなお金持ちの女性とか知らないかい?
ほんの少しだけ知恵を働かすかも
通りを歩いても嘘つきだらけ
分かったような口を叩くな
あんたの持ち家は大邸宅
ほんの数ブロック離れてないのに
見晴らしの良い庭も付いている
ゴミ置き場が近くにある以外は何も気にすることなどない家
いつも小奇麗な服を着て
大きな車で奥さんをお出迎え
なのにテレビに映る人たちときたら
いつもと変わらなく答えてるよ
まるで決まり事のように一括りのセリフ
右も左も似たような顔
現実ってそんなもんさ
現実ってそんなもんかい?
ため息はついているが俺ほど悲惨じゃないだろう
さも悲しそうな瞳をしているが俺の状況よりゃかなりましさ
一日のうち幾つの憂鬱に襲われたっていうのさ
一度カウントしてみなよ
一度比べっこしてみるかい?
俺の身代わりをしてくれるのかよ
あんたが飼ってるワンちゃんは
俺より良い物食ってるな
お宅が午後に飲み干したコーヒーの豆
1kg辺りでいくらするのさ
我が家のお茶の何杯分さ
ねうすぐ夏が訪れる
じりじりと汗をかきながら
陰気にひたるなんてどうかしてるだろ
余り物があるなら恵んでくれよ
おまけだけがいるのなら
そのキャラメルでいいからさ
一粒の甘さに立ちくらみさえさえするかもしれないが
意地汚いぐらいにしゃぶってるだろうよ