>土方だ。

ひろ、今日は大変だったみてえだな。
朝から色んな奴に声かけられて、プレゼント渡されて……いつも以上にうるせえ一日だっただろ?
うちの学園の生徒は、加減とか限度を知らねえ奴ばっかりだからな。
迷惑な時は、はっきり迷惑だって言っとけ。そんなことで傷つくような連中じゃねえからな。

……だが、いつ見かけても、おまえが笑ってたから安心したぜ。
おまえが、良い誕生日を過ごせたって思ってんなら、それでいい。


……学園内では、何もしてやれなくて悪かったな。
俺は教頭だからな、一生徒の誕生日を祝ったりしちまったら、えこひいきしてるって誤解を生んじまう。

だがな、ひろ。
俺だって、おまえの誕生日くらいちゃんと祝ってやりてえんだよ。


……今から会いに行くから、そのまま家で待ってろ。
おまえに渡してえ物もあるからな。

桜の柄のスカーフだ。
……桜の季節はもう終わった、とか言うんじゃねえぞ。
おまえには、どうしても桜を贈りたくなるんだよ。
いつ、どんな時でも……おまえに一番似合う花だからな。


ひろ、誕生日おめでとう。
……校内で我慢してた分、一刻も早く、おまえの顔が見たくて堪らねえよ。


土方 歳三
>土方だ。
用があるなら、直接言えばいいって思うかもしれねえが……こうして、文に残しておくってのも悪くねえだろ。
まあ、黙って読んでくれ。

函館に来てから、初めてのおまえの誕生日だな。

何度もおまえの誕生日は迎えてきたが……不思議なもんだな。
あんなに目まぐるしい日々を送ってたってのに、おまえの誕生日だけは忘れたことがなかった。

俺は随分前から……自分で思ってた以上に、おまえに依存してたんだろうな。

おまえの誕生日が近づくにつれて、おまえのことしか考えられなくなっていった。
……どうすりゃおまえが喜ぶのかって、ここんとこ、そればっかり考えてた。
俺は、おまえの笑顔が見たくてたまらねえんだ。
毎日見てるってのに、飽きるどころか、どんどん可愛く見えてくるから敵わねえ。

ひろ、おまえに誕生日の贈り物を用意した。
桜柄の櫛だ。
おまえは桜が好きだからな。気に入ってくれると思う。
……しまったりしねえで、ちゃんと使えよ?
大事にするのはありがてえが、そういうのは使ってもらえた方が嬉しいからな。
夕飯の後にでも渡すから、それまで大人しく待ってろよ?


ひろ、誕生日おめでとう。
おまえはただ……俺の隣で、いつまでも笑っててくれ。

土方 歳三
>沖田です。

突然だけどひろちゃん、今から時間ある?
せっかくの誕生日なんだし、放課後デートしようよ。

どこでも君の好きな場所に連れて行ってあげるし、何でも好きな物を買ってあげる。
……って言っても、君はすぐに遠慮しちゃうからなあ。
本当、損な性格だよね。

買い食いして、適当にその辺を歩きながら、どこに行くか考えようか。
今日は君の誕生日だから、何か奢ってあげるよ。
どうせなら、贅沢なものがいいよね。
うーん……学生の贅沢って言えば、やっぱり三段アイスかなあ。
三段アイスって、見た目は豪華だけど、全部溶ける前に食べるのって大変だよね。
慌てて食べる君の姿が目に浮かぶよ。


……ねえ、ひろちゃん。
君は今、どんなことを考えてる?
僕に誘われて嬉しい? それとも、アイスをこぼさずに食べきれるかって心配で、それどころじゃないかな?

……僕は今、すごく楽しいって思ってる。
こんな「放課後どこに行こうか」なんて、取り留めのない話をしているだけなのに……すごくわくわくしてるよ。
君といると、何でもない普通のことが、全部特別なことみたいに思えるから不思議だよね。
……君も、僕と同じように感じてくれてると嬉しいんだけどなあ。


ひろちゃん、お誕生日おめでとう。
……校門で待ってるから、早くおいで。


沖田 総司