着物Shineiで購入した、桃色の絽の着物、
正絹を確認できたところで、セルフクリーニングすることにしました。
届く前から、もう覚悟はしていたんですが、
着物は、驚くほどキレイなのに、古っぽい、カビっぽい臭いがします。
臭いはどこから・・・見た目との違いに、とても不思議な感じです。
単衣なので、表裏をよくよく確認してみると、
(1)左袖の袖口に近いところに、グレイっぽい薄い汚れが、一つ
それから、
(2)背伏せ布のところ、折れているのをめくってみると、
オレンジ色っぽく変色しているところが、3か所
※こんなところも変色するんだ、と思いました
カビっぽい臭いは、この辺りからなのかも。
数日陰干ししましたが、予想通り、臭いは消えず・・・
ほかに為す術もなく、そのまま放置していました。
「きもの医」サイトの「着物みず洗い」を拝見しているうちに、
・きもの医
※「ご要望が生んだ着物みず洗い」が、失礼ながら面白すぎです。大阪のおばちゃんに完敗ですね。
※「着物みず洗い」は、3種類あるようです。
「兵児帯の絞りが伸び切った件」も癒えていないのですが、
臭いのは、堪え難し。
いざ、セルフクリーニング
①酸素系漂白剤に浸け置き(重曹)
②酸素系漂白剤に浸け置き(重曹)
③濯ぎ(重曹)
④濯ぎ(重曹)
⑤濯ぎ
⑥浸け置き(柔軟剤)
⑦洗濯機で脱水
①もの凄い樟脳の臭いがします。
水に浸したときの樟脳の臭いは、半端ない強さです。
他の臭いもあるのですが、樟脳の臭いが凄すぎて判りませんでした。
水は、着物の地色に薄梅鼠色を混ぜたような、透明感のない色になりました。
見た目は、感動的に綺麗な着物ですが、実は汚れているんですね。
絹恐ろし。
樟脳の臭いが上がってきて、眼に悪そう・・・。
②①は短時間で排水して、もう一回。
今度は、1時間くらい浸け置きしました。
③以降、水は、透明感ある色になりました。
元々、薄い地色の着物なので、色落ちした水の色も薄いです。
⑥最後まで、樟脳の臭いは消えず(弱くなる程度)でしたが、絽がカチカチなので、
柔軟剤は必要と判断しました。
着物ハンガーに干しながら、袖のサイズを測ってみたところ、
縦方向が縮んでいます。袖丈が52cm → 48cmになっています。
なんとまぁ、マイナス4cm。
伸ばしてみると伸びるので、50cmまでは回復しそうです。
裄は変わらずでした。
縦絽は、縦方向に縮むようですね。
汚れは、
(1)袖口のグレイっぽい汚れ、(2)背伏せ布のオレンジ色の変色 とも
キレイさっぱり消えていました。
ところで、
縮むか否かは、仕立てる前の(反物の状態のときの)
前処理(下処理)に起因していて、
湯のしを頑張りすぎていると、縮みが大きくなるのではと思っています。
縮緬やお召しなど、撚り糸で織られている生地は、縮みたがりなので、
湯のしの頑張り具合は、仕立て上がりの裄幅を確保まで。
いずれにしても、反物から仕立てるときは、
湯のしは、頑張りすぎないようにお願いするのが、BESTだと思います。
さて、
きもの医のサイトや、他の悉皆屋でも同じような記載を目にしますが、
着物のクリーニングで最強なのは、洗い張りなんですね。
部分汚れ取り(シミ取りやカビ取り)を併用して、きれいさっぱりにする。
でも、洗い張りを行うと、自動的に仕立て代が発生します。
安価にクリーニングを行う方法としては、丸洗い(ドライクリーニング)が
ありますが、
ドライクリーニングは、脂溶性の汚れには有効で、水溶性の汚れには不向き、
トラブルを発生させないように、洗浄力も弱く、
実は、キレイになっていないという話もちらほら。
今、気になっているのは、「きもの医」が行っている
「着物みず洗い」。
着物を解いて反物の状態にはしないけど、ドライクリーニングではなく、
洗い張りの「洗い」を行う、「洗い張りしない洗い」。
※きもの医の回者ではありませんが
3種あります。
①みず洗い・ベース:6,400円
縮み・たるみをできるだけ少なくしてキレイにする
処置後、縮み・たるみがほぼ出ない品と判明した場合に、800円分のポイントを進呈。
②みず洗い・ちりめん:7,800円
大きく縮みが出やすい、縮緬・お召しをキレイにする
処置後、加工や仕上げで想定よりも縮み・たるみが簡易に解決できた品と判明した場合に
800円~最大1,200円分のポイントを進呈。
③みず洗い・そのまま:4,600円
縮み。たるみが出ても良いので、すっきりキレイにする
※③でオーダーしても、生地を確認して、①や②に変更の場合あり。
送料、消費税込みの金額です。 ※さすが大阪商人
③は、サイズが大きい場合は、依頼できそうですが、
通常は、①or ②なので、6,400円〜7,800円掛かることになります。
「みず洗い」と一緒に、裄出しなど、ちょこっと直しをお願いすることも可能です。
※「みず洗い」と「裄出し」どちらが先なんだろう。「裄出し」→「みず洗い」の順だと嬉しいかも。
リサイクル&リユースの着物は、
どこのショップで購入しても、どんなにキレイに見えても、何故か臭います。
保管している期間に、他の着物から臭いが感染るのかもしれないですが、
未使用品でも、なぜか臭います。
※倉庫ってどんな保管状態になっているでしょうかね
なので、みず洗いして、キレイさっぱりにしてから着るのは、
なかなか良い選択なのでは、と思い始めています。
「みず洗い」には、縮みのリスクが伴いますが、
※反物のときに、どのような下処理をしているか不明なため
洗い張り or ドライクリーニングの二者択一から解放されるのは、嬉しい限りです。
少々の縮みはカバーできる、サイズが大きめな着物なら、ほぼリスク無しでgoodかも。
※サイズが大きい着物や帯は、総じて金額高めですけど
縮みが出るのは、初回の「みず洗い」で、
次回以降は「みず洗い」しても縮みがでないのは、朗報ですね。
ほとんど、洗い張りする必要がなくなるかも。
となると、洗い張りするのは、
着物を、着物以外に仕立て替えたいときくらい・・・ですかね。
個人的に、
一つだけ気になる点は、はっ水性能についての記載です。
・きもの医
こちらのページ記載の、
「きもの医の着物みず洗いには軽いはっ水性能があります」
「数滴の水滴ならすぐ拭き取る事でしみ化を抑えられます」
「みず洗いで軽いはっ水性能があるのは、みず洗いに使用する洗剤のひとつに、
はっ水性能があるためです。これは縮み対策として加味されている成分のため
省く事ができません」
→ 洗剤を使用して洗うということが判りました。
・きもの医
こちらのページにも、
「着物みず洗いクリーニングにはパールトーン加工ほどではありませんが、
軽いはっ水機能が含まれます。」と記載されています。
正確には、
洗い張りの「洗い」 ≒ きもの医の「みず洗い」なんですね。
撥水加工は、悉皆屋泣かせなので、個人的には避けたい・・・悩ましい事実です。
【備忘録】
ここからは、ちょっと愚痴っぽいです。
私はここ最近、着物や帯の「におい」ばかり嗅いでいる気がします。
これまでに購入したものは、
浴衣
長襦袢(正絹)
反物(正絹)
長襦袢(木綿)
名古屋帯2本
名古屋帯1本
バッグ
兵児帯
絽の着物
そして、
反物、長襦袢、兵児帯、絽の着物とセルフクリーニングしてみましたが、
正絹のセルフクリーニングは、着物と帯を除いて、長襦袢までかなと思っています。
※長襦袢や帯揚げは、正絹でも自分で洗いたい。
4つとも、臭いや汚れは、キレイさっぱりになりましたが、
反物 →色移り
長襦袢 →居敷当ての縮み
兵児帯 →絞りの伸び
絽の着物 →丈の縮み
とそれぞれ、いらぬお土産が付いてきて、やや疲労困憊気味。
セルフクリーニングからは、そろそろ卒業したいと思っています。
※今後、仕上がりを確認してからになりますが、
リサイクル&リユースの着物や帯については
・お直し → 和裁士に直接依頼
・帯 → みつやまでクリーニング
・着物 → きもの医でクリーニング
で、どうだろうかと思っています。
どういうわけか、近畿地方に集中していますが、
※関東でお願いしてみたい悉皆屋は、忙しすぎて、現在もお願いできない状況にあり、
色々探しているうちに、近畿地方になっていたという印象です。
そして、着物と帯の購入基準は、明確に、
・お手入れをしても着たい着物
・お手入れをしても締めたい帯
ですね。
そして、秋からは、
和装を楽しみたい&愉しみたい!!
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