1983年5月21日に公開された東宝創立50周年記念映画の「細雪(ささめゆき)」

以前から気になっていて、TSUTAYAで借りました。

 

 

原作は、谷崎潤一郎の小説「細雪」

監督:市川崑

蒔岡雪子(三女):吉永小百合

蒔岡幸子(次女):佐久間良子

蒔岡鶴子(長女):岸恵子

蒔岡妙子(四女):古手川祐子

辰雄(鶴子の夫):伊丹十三

貞之助(幸子の夫):石坂浩二

 

この映画の設定は昭和13年、

大阪、船場の名家である蒔岡家に生れた、美しい四人姉妹の一年のものがたり。

長女は船場に、次女、三女、四女は芦屋に住んでいる。

 

着物好きには人気の作品で、戦前という時代設定に合わせるため、

衣装だけで120点、1億5000万円を投じている。

 

市川監督は細雪のきものについて

「当時の図柄帳や保存されている着物を参考に、ほとんど新しく、型紙、白地から染め出して作った」

「当時の着物は色、柄、寸法が今とは全く違う」

「色、模様とも格調高く、その美しさ、誇らさ(?)は、現在より斬新」

「コクのある渋さ」

と語っている。

 

それらの着物を見ていて、「銀座 志ま亀」を思い出した。

色といい、柄置きといい、共通しているところがあるように思うが、どうだろう。

 

個人的に気になったのは、袖丈

現在の標準ともいえる袖丈は、1尺3寸(約49cm)だが、

映画のそれは、四姉妹とも長い。

しかも、普段も、お花見も、お見合いも。そして未婚者だけでなく、既婚者も同じく長い袖丈だった。

これには、やや大袈裟だが狂喜した。観た甲斐があった

 

袖丈はどのくらいだろう。

小振袖(約76cm)くらいだろうか(寸法のままに、二尺袖とも)。

 

初めて自分の着物を仕立てたとき、

1尺3寸では短くてバランスが取れていないような気がして、

「1尺3寸より長くしてもいいですか」と尋ねた憶えがある。

 

振袖は未婚者というのが頭にあったので、中振袖にはしなかったが、

もう少し長く仕立てたいなと思っていたので、

細雪を観て「なんとなんと、四姉妹とも袖が長い!!」と狂喜した次第。

 

 

 

その他印象に残ったのは、

市松柄の着物が比較的多く登場したこと。

紬は着ていなかった。

それと、

蒔岡雪子(三女):吉永小百合さんが着ていた梅柄と、

蒔岡幸子(次女):佐久間良子さんが着ていた青海波の羽織も印象的だった。

やはり、着丈は長めの方がいいですね。

 

撮影は、初冬の京都。

大沢池の周囲約百メートルに至る満開の桜は「映像京都」が手掛けたセットなのだそう。

 

 

 

 

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