皇太子さまの天体望遠鏡 アスコスカイホーク130型(訂正)
皇太子さまの天体望遠鏡は 小学生の時に買われたものだそうだ。
これは当時の天文雑誌の広告。
上が1976年11月号の「天文と気象」
下が1977年11月号の「天文と気象」
エイコーの天体望遠鏡は 1976~1977年にかけて ファインダー脚のマイナーチェンジを行なって、品番も若干変更されたようだ。
皇太子さまの天体望遠鏡は1970年代前半にご購入された エイコーSTH900だと思われる。
→訂正:アスコスカイホーク130型
この望遠鏡は当時としても、決して高級な部類ではない。
しかし、初心者向けとしては経緯台でもあり、必ずしも悪い選択ではないと思われる。
問題は反射望遠鏡のメンテナンス性の悪さである。
反射望遠鏡のミラーには蓋などついていないから部屋の隅に置いておけば
間違いなくミラーには誇りが積もり、40年の年月のうちには使い物にならなくなっていることだろう。
最低でも一回以上は再メッキして、光軸を合わせ直しているはずだ。
経緯台の上下微動棒にしても、露出したネジ部分のグリスに埃が付着して、役に立たなくなっているはずだ。
間違いなくなんらかのメンテナンスを施していると思う。
大抵の使い込んでいるアマチュア天文家ほど、市販の天体望遠鏡になんらかの改造を施していることが多い。
天文少年のほとんどは 工作少年でもあったからだ。
改造とまでいかなくても、ステッカーなどを貼りたくなるのが人情ではないだろうか?
ところが皇太子さまの天体望遠鏡は 何も手を加えた形跡が見られない。
天文趣味に早々に飽きてしまった人の天体望遠鏡は だいたい何も改造もされていないことが多いが、皇太子さまの望遠鏡はきちんとメンテナンスされているようだ。
そうでなければ、あのような月食の写真は撮影出来ない。
宮内庁のお役人に天体望遠鏡のメンテナンスが出来る人がいるとは思えない。
人件費を考えたら 新しい天体望遠鏡を購入する方が遥かに安いからだ。
従って私は この望遠鏡のメンテナンスは皇太子さまご自身が行なったと考えるのが妥当だと思う。
もしかしたら、妹の紀宮さま(当時)に手伝ってもらって、反射望遠鏡の光軸調整をされたのかもしれない。
紀宮さまは白河天体観測所に行かれるほどの天文ファンだからだ。
私たちは 皇族に限らず、著名人の人間性、人柄について どこかのメディアが報じたものでしか判断材料がない。
だから本当のことはわからない。
しかし、今回の皇太子さまの天体望遠鏡は マニアしかわからない 皇太子さまの人柄を垣間見ることが出来る絶好のチャンスだった。
私の知る限り、どこのメディアもこのことを報じていないようだ。
こんなマニアックな天体望遠鏡の話を 一般の記者が知るはずもないからだ。
私は 天皇制についての詳しい知識もないし、他の国の王族の知識もない。
これから天皇制度はどうあるべきかの議論もよくわからない。
ただ、間違いなく この皇太子さまは信頼できる人だと思う。
皇族が使うお金は 元は我々が納めた税金である。
それを使ってご購入された安価な天体望遠鏡を これほどまでに大切にする人は日本中のどこにもいないと思う。
口先だけ 調子の良いことを言う著名人や文化人は腐るほどいるけれど、皇太子さまは 人間としても立派な方だと思われる。
このような方なら 日本の新しい時代の天皇陛下にふさわしいのではないだろうか。