胎内星まつり報告(5)メシエトライアスロン
雲が多いし、二夜連続の夜勤明けで疲れていました。
でもせっかくの胎内星まつりです。
勿体なくて眠れません。
椅子に座って、うとうとしながら空を眺めていたら、明け方近くになって晴れてきました。
晴れた空を見ているうちにいつの間にか、25センチ反射で眺めたり、望遠レンズで撮影したり・・・気がついたら『メシエトライアスロン』状態です。
ところが、ここでトラブル発生。
愛機スカイマックスのコントローラーが断線してしまいました。
18年使い続けて初めてのトラブルでした。
微動は使えないものの、追尾には支障はありません。
そのまま勢いで使いました。
そういうわけで、視野の中心から外れてしまった対象があります。
トライアスロンなので、露出も短く駆け足で回りました。
成り行きで始めたので、スケッチを取りませんでした。
従って、本部には提出しませんでした。
撮影は望遠レンズ(ニッコールED600mmF4)、EOS X5(改)
M57 こと座のリング星雲
視野いっぱいの星の中に、ひとつだけピンぼけの恒星を見つけたらそれがM57
恒星と見間違うほど、明るい星雲です。
M27 こぎつね座のあれい状星雲
双眼鏡でも存在がわかる大きな惑星状星雲。
望遠鏡では容易に形がわかる可愛らしい天体。
この付近にはM71とコートハンガーと呼ばれる特徴的な星団があります。
昨年の夏はM71とギャラッド彗星が並んで見えていました。
M2 みずがめ座の球状星団
双眼鏡だと滲んだ恒星のようです。明るく見易い天体です。
昔は苦労した球状星団のぶつぶつとした様子のスケッチがデジカメだとあっさり撮れます。
M15 ペガサス座の球状星団
こちらも明るい球状星団、秋の三大球状星団のひとつ。
集光度の違いが興味深いです。
もうひとつのM30は高度が低く断念。
NGC7293 みずがめ座のリング星雲
巨大なリングは双眼鏡でもわかります。
昔は難物扱いされていましたが、実際には眼視でもよく見えます。
この短いレンズでも、構造の片鱗がわかります。
NGC253 ちょうこくしつ座の系外星雲
低空のこの星雲が見えると秋が深まった気がします。斜めからみたこの星雲の内部構造には興味深いものを感じます。
更に南のNGC55は胎内からは難しいでしょう。
(写真の順番が説明とあってなくてすいません)
・・・な~んて、楽しみながらやってたら時間がなくなりました。
もう薄明が始まってます。
漏らした星雲、星団も沢山あります。
慌てて、M31 M33 M1 と飛ばし、昇ったばかりのオリオン星雲M42 M43を撮影。
・・・要は散開星団を後に回します。
次第に明るくなる薄明の空を二重星団 M35とNGC2158 M38とNGC1907 M36 M37 M34 と駆け足で撮影、最後はスバルM45で締めました。
飛ばしてしまったメシエ天体も沢山あります。
時々空を横切る雲をかわしながらの撮影でした。
最後のスバルはレンズが結露してしまいました。
短い時間で、やはりスケッチは難しいですね。
メシエトライアスロンの最大の肝はスケッチだと思います。
ただ写すだけなら誰でも出来ますが、スケッチは練習が必要です。
私も高校・大学生くらいまでは、時々スケッチの真似事をしましたが、とても大野裕明さんのような素晴らしいスケッチは出来ませんでした。
・・・で、手軽にそこそこ出来る写真撮影に移ってしまいました(笑)。
でも自分の目でしっかり見るって、大切ですね。
実はこの600mmの望遠レンズでの撮影は、今年になって初めてでした。
でも星雲や星団の位置は身体で覚えていました。
星はいつまでも変わらないのがいいですね。
(続く)