おや?なんだか手がスムーズに動く。あれ?あれ?という間に弾き終えた。

{B1182648-3B75-417F-8980-1B58A7D88027}
写真の茶色の駒は小唄用。曲種で変える。


「惚れて通うに」という小唄が弾けるようになった。ただしほんの1分半ほどの長さの曲に一月かかった。

 毎朝三味線と唄の稽古をする。積み重ねとは恐ろしいもので、気づくと何かができあがっている。薄い紙が100枚も重ねれば随分な厚みと重さになるようなものだ。

 音楽は自分の感性を鋭くする。経営者は毎日が決断の連続だ。イエスかノーを瞬時に出さねばならないことが8割。音楽や茶道を始めてから「ウェイト」も含め、答えを出すのが楽になった。

 なぜ答えを出すのに直感で良いのか?私は論理を「直感で導き出した仮説を検証する」ために使うものだと思っている。
 ピンと来た機械を導入するかどうか?あらかじめ論理で組み上げてピンと来るのではあるまい。「ピン」が正しいのか論理で検証するのだ。
 最初の「ピン!」は直感を磨くことでしか得られない。と私は思う。

 小唄「惚れて通うに」は譜面もなく、師匠と相対で耳と目だけを頼りに稽古して来た。でも人間は感覚を総動員し、毎日薄い紙を重ねるように時間を重ねれば、きっとできるようになる。好きなことならば。

 「好き」という感覚を磨いてみよう。それが幸せの道だから。