すぐわかること。すぐにはわからないこと。

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 「湯の音と水の音は違う…」点前をしながら呟いた主人公の言葉を聴いて背筋に電気が奔った。
 映画の中のことである。

茶室の佇まい

 さる方の厚意で試写会に呼んでいただき、極上の時間を過ごすことが叶った。

映画「日日是好日 」

 一人の女性の、茶道があるくらしの景色を描いた映画だ。それも茶道狂いなどではなく、恋や仕事の方が優先順位が高い普通の女性である。
 
 世は「結果にコミット」が大流行りである。私の経営するゴルフ練習場でも、ゴルフスクールやレッスンでも生徒さんの要求はシビアになる一方だ。もちろん、お金をいただき指導する以上、結果が出るように導くのは最低条件である。私も異論はない。

 ところが茶道を始めとした「道」の世界でもその流れが押し寄せているという。その現れとして〇〇体験が流行り、入門に至らない例が多いという。

 もったいない話である。「すぐにはわからないこと」は時間と手間をかけるだけの価値あるものだ。
 稽古を重ねて行くと、それまでキャッチできなかったことを一つ一つ感じられるようになって行く。障子の向こうの鳥の気配、湯の滾る音、三味線の糸のわずかなかすれ、師匠の節回しの細やかさ、兄姉弟子の隠れた気遣い。いずれもすぐにはわからないことだらけ、何年か経って初めて気付き赤面することもしばしばである。

 すぐわかること、すぐ結果が出ることも大事だ。でも、それだけでは人生もったいないじゃないか。
 ひっそり咲いた花の気配を感じられるような人に、私はなりたい。