久しぶりに茶の稽古へと出かけた。初夏の花に、夏めいた主菓子が彩りを添えている。

 
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黒姫あぢさい、升麻など。 右は有職飾りの菖蒲。
 
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青梅うつしの主菓子。さわやかで可憐だ。

今回は灰型の勉強をした。
灰型とは風炉の中に灰で作る美しい山並みのことだ。
 本当は写真を撮りたかったのだが、茶道の稽古中に写真を撮るのは、禁止行為である。ご勘弁願いたい。
 
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http://ichiyorinarai.jugem.jp/?eid=7
灰型作りの雰囲気を載せておられる植田伊津子さんのブログ。
 
 なぜ灰の造形を釜の中に作るのか?その答えは、
      「炭が良く燃えるように」
ということだ。
 風というのは障害物があると加速する。例えば室内の空気を淀ませないようにするには、部屋の中央に衝立を置くと効果的だ。バーベキューなどで着火に苦労するのは、一つにはバーベキュー焜炉の構造の悪さにある。七輪などは慣れれば新聞紙二、三枚で着火する。それは風の通りが計算されているからだ。
 
 師が丁寧に灰をなでつけ形を作っていく。
 
「押しつけてはいけません。灰の中の空気を残すようにふわりとおさえるのです」
 
 灰中の空気を使って炭が燃えるからという。
 手前に前瓦を置き、中央のくぼみに灰匙で ☵と、八卦の水の卦をしるす。

「火に対して水を置くことでバランスをとります。昔の人はそれほど火の力を恐れていたのです」

炭点前が始まるとすぐに火が回り、部屋中に沈香の香りが満ちた。
師が白檀を切らしているとわびた。

「沈香は油が出て風炉を傷めるので、本当は白檀がいいのです」

灰型から心を込めて点ててくださった茶は、ことのほか薫り高い気がした。