うつろうこと

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季節が変わり今年もあと残すところ二ヶ月余となった。秋が深まり、時雨が降るたび涼しさが増していく。

かねがね三味線になぜフレットがつかないのだろうと、不思議に思っていた。(フレットとはギター等の棹に付いている突起で糸を押さえる目安となる)
三味線は弦が伸縮する絹でできており、音が常に変わるのでフレットで勘所を固定できないのだ。ということはわかる。しかし弦の素材を変えるなど、勘所を固定化する努力こそ進化ではないか。との思いは変わらなかった。

しかし最近それは違うのではないかと気づいたのだ。三味線を進化させる方向性がだ。
温度湿度で弦は常に伸縮し、同じ場所を押さえても音はどんどん変わる。それを自分の耳で捉え、思う音の出る「勘所を」探り、わずかな隙に糸巻きを回して弦の張りを戻す。そうやってうつろいに対する自分の感覚を磨くことこそが大事なのである。

我が国はうつろうことに美を感じる国柄だ。
季節、建物、装い、人の心…

ついでに心変わりも責めないでもらいたいが…