定刻運行の弊害 | 路線バス運転手してます

路線バス運転手してます

2021年7月、44歳で転職して路線バス運転手してます。この業界は初めてです。大変かどうか、やりがいがあるかどうか、勤務などの全てをさらけ出して行こうかと思ってます。

おはようございます☀️

今日は、平日の27系統です。13時13分出勤で23時01分退勤です。労働時間は9時間48分ですので、48分の残業時間が計上されます。また、運行するだけで計上される残業時間が30分あります。休憩は2回で、合計2時間02分あります。走行は126キロです。なお、前日からの休息期間は13時間42分です。



路線バスの運転手は、決められた時刻に合わせてバスを運行するのが主な仕事です。でも、路線バスは一般道を走行しております。鉄道のように、専用軌道を走行している訳ではありません。歩行者や自転車をはじめ、一般車も通る道路を使用して運行しています。


道路を使って商売


しているのです(笑)。でも、道路状況ってガラガラな時ばっかりじゃ無いですよね?酷く混雑している時もあれば、最悪の場合通行止めになっている時もございます。周囲の影響を非常に受けやすい乗り物です。でも


私には非常に合っている


のです(笑)。だって


時間よりも

確実さを求める性格


なんです。スーパーなどの駐車場に停める時、母親なんかは


店舗入口付近に停めたい人


でしたが、私は


遠くても

空いてる駐車枠に停める人


です。なので、母親と一緒に出掛けた時は


「ええ運動になるやろ?」


って、よく言ってました(笑)。そんな考え方ですから、以前にもお伝えした通り


定刻通りに路線バスを

運行する気が全くない


のです(笑)。各バス停を定刻より早く出発・通過してしまうと


行政処分の対象となる


のですが、遅延するのは何の処分にもなりません。なので、容赦なく遅れて運行しているのです。その理由ですが


定刻通りの運行を目指すと

少しの遅れでもイライラ

してしまいそうだから


です。信号に引っ掛かりそうになれば、黄色信号でも無理矢理交差点内に進入するでしょう。脇道から割り込まれた場合、イラッとして車間距離を詰めてしまうでしょう。渋滞に巻き込まれてしまった場合、マイク越しにタメ息ついたり人差し指でハンドルを貧乏ゆすりみたいに小突くでしょう。その結果、安全は疎かになってしまい、交通事故を起こしてしまう確率が高くなりますのでね。


実は、路線バスを運転し始める前では


これらの行為を実行していた


のです(笑)。前の仕事、JAFのような保険会社のロードサービスの仕事をしていました。その会社の方針は


やれ行け!それ行け!

早よせんかい!


だったのです。


「車のトラブルに遭った人は、1秒でも早いオレ等の助けを求めてる」


なんて言ってましたから。救急隊員の出動シーン、アレをイメージして下さい。あんな感じだったのです。レッカー車のエンジン作動させてカーナビに住所を入力しようモンなら・・・。黄色信号で停まろうとしたら・・・。最高速度を守って走行しようモンなら・・・。よくもまあ、そんな会社に十数年も居てました。多分ですが、感覚がマヒしていたのでしょうね(笑)。でも今は違いますし、マイカーを運転する時も真逆な運転をしています。ようやく解放された感じ、です(笑)。そんな環境で過ごしていましたので、確認不足によるヒヤリ・ハットは数知れず。それが自分では理解していますし、多くのお客様の命を預かる身になった訳ですから、考え方を改める必要が出たのです。気付くのが遅すぎるかも知れませんが(笑)。そのため、今は時間通りの運行ではなく


安全を最優先にした運行


を行なっているのです。


でも、多くの・・・いやっ、殆んどの運転手やKは定刻通りに運行することを目標にしています。これはこれで正しいのですが、その反動として、特にKは


少しでも遅れてしまうと

イライラしている


のです。昨日の夜も、そうでした。雨の影響で、駅前ロータリーに入るまで道路が大渋滞していました、雨の日の普通の光景なんですが、唯一異なっていたのは


激しい交通渋滞が

発生してしまった


くらいです。私も1便だけ走行しました。駅前バス停が始発の便で、しかも、雨の日の夕方でしたので、休憩所を早めに出発して遅れないように対策を取りました。それでも、駅前バス停に到着できたのは出発の数分前だったのです。まだ回送だったのでマシでしたが、お客様にお乗り頂いてた実車運行のバスは大幅に遅れてしまいました。私のような、のんびりと構えている人なら諦めが付きますが、定刻通りに運行したいKなんかは・・・。何人ものKが、無線で


「事務所!警察に電話して何とかして貰ってくれ!」


なんて怒鳴ってるのです(笑)。そのバスと事務所だけがやり取りしてるのではなく


他のバスにも

聞こえるのに

怒鳴っていた


のです。と言うことは


そのバスに乗ってる

お客様にも聞こえるのに


です。一応言っておきますが


警察なんかに言っても

何も解決しない


です。一応言っておきますが


怒鳴っても渋滞は

何も解消されない


です。一応言っておきますが


イライラしても

駅前に早く到着しない


です(笑)。こんな時は


諦めて開き直るのが一番


なんです。車内アナウンスで


「雨の影響で、○○駅へ迎えに行く車で激しく渋滞しています。お急ぎのところ申し訳ごさざいません、ご了承下さい」


とでも言っておけば、お乗りのお客様もご理解頂けます。また、駅前でお待ちのお客様には


「駅前交差点を先頭に、□□付近まで激しい交通渋滞が発生していました。到着が遅くなりまして、申し訳ございませんでした」


と車外アナウンスしておけば、大体ですが皆さんのご理解は得られます。ところが、K達は


喋りたがらない人種


なんです。K達に聞いてみたのですが、たとえ運行が遅れたとしても


お詫びのアナウンスなんて

一切しない


そうです。


自分のせいで

遅れた訳じゃないから


ですって。


「道が混んでただけだから、オレは悪くない」

「客の乗り降りが遅いから、オレは悪くない」


なんて言ってました。ホント、何の仕事をしているのか理解に苦しむ今日この頃です(笑)。


何の仕事でもですが、表の顔と裏の顔があるのは事実です。私も何業種かの仕事をして来ましたが、ここまで酷い考え方の人間が集まっている業界は初めてです。もちろん、私の想像力が足りないだけかも知れませんが。それに私が知らないだけで、もっと酷い業界があるかも知れません。皆さんの大切な移動手段を守るために運営されている、路線バス会社。ですが、その実態は・・・。ダメですね、いつもこうやって愚痴ってたら(笑)。心が病まないように、目の前のことだけを考えて一日一日を励んで参ります。