最近、新潟県でホイールクレーンに小学生が轢かれて死亡する事故が発生しました。

車庫からクレーン車を出す時に起きた事故で、轢いてしまったのが死亡した小学生の父親という、大変痛ましい事故です。

 

事故原因は調査中のようですが、当該車両は、4輪の車両重量が13t、つり上げ能力13tのホイールクレーンと呼ばれる特殊自動車でした。

本来、現場で働くクルマなので、公道を走れるとはいえ、適用される保安基準は、一般的な自動車とは違っています。

実際に、車両をみると、左前方と後方の視界は、オペレーター席でもあるドライバー席からは

遮られています。

バックしている時か、前進している時かは報道されていませんが、いずれにしろ直接視界が遮られていなければ、防げていた事故かもしれないと思いました。

 

気になったので、メーカーのサイトを除いてみると、オプションで左前方と後方を映すカメラが選択できるとあります。

事故を起こしたクレーン車に、このオプションが取り付けられていたのかどうかは知りませんが、今やバン型トラック等に普通にとりつけられている、このカメラオプションが、クレーン車にも装着できるのは当然としても、人や自転車を検出して自動ブレーキをかける機能が付いていても不思議ではありません。

この機能は、ADASシステムの一部として、すでに多くの自動車に装着されていて、自動車メーカーとクレーン車メーカーの垣根を飛び越せば、安く入手できそうな気がします。

メーカーサイトで、このクレーン車の売値を見ると2300万円でした。

死角に隠れていたかもしれない我が子の姿を、父に代わって発見し、自動ブレーキをかけて一つの命を救えたかもしれないADASのコストは、売値の多分2%未満で済みそうです。

 

特殊自動車の中には、フォークリフトも含まれます。

フォークリフト事故の中には、現場作業中に後方の歩行者を巻き込む事故がよくあります。

オペレーターに代わって、周囲360度を監視し必要ならブレーキをかけるADASは、事故防止に有用なはずです。

 

普通の自動車用ADASを、そのまま転用できるとはかぎりませんが、構造上、直接視界が制限される特殊自動車にこそ、特殊自動車用ADASを早急に装着すべきだと思います。

 

最近よく考えるのは、自動車産業の技術開発は、社会にとってどんな意義があるのだろうか?ということです。

自動車は、決して最先端技術の詰まった商品ではないのですが、使えそうな先端技術を、使える技術に変え、世に先駆けて大量生産して、普通の技術にしてしまう産業なのではないかというのが一つの答えです。

 

これが、自動車産業の大きな社会的意義であるとしても、その成果を自動車だけに留めておくのは、もったいないことです。