てっきり物流用語だと思っていた“ラストワンマイル”が、情報通信系でも使われている記事を目にしました。
記事は、ケーブルTVに関するもので、マンション等の集合住宅の各住居ユニットに信号を伝送する際に、光ケーブル等の大容量通信ケーブルを各住居に通し、維持するのに結構なコストがかかっていて、このTV信号連鎖の最後の一環を、“ラストワンマイル”と言っています。
物流業界の“ラストワンマイル”の言葉の裏には、“物流連鎖の最後一環に多大なコストと手間を要す”という嘆きが隠れていますが、ケーブルTVでも同じような悩みがあったということです。
この解決策が、5G通信の利用です。
マンション内にケーブルを通す代わりに5G基地局を設置し、各住居に受信機を設置して、コストダウンを図るアイデアです。
本来“有線”放送を意味するケーブルTVの最後の一環が“無線”に置き換わり得るのは、5G通信という高速通信技術と携帯電話ネットワークという社会インフラのおかげで、コストの壁が下がり、はじめて検討可能になったのだろうと想像できます。
将来的には、ケーブルTVは、全てが無線通信になってしまうのかもしれませんが、現時点での最適解の一つとして、連鎖の一部に5Gを使うアイデアが浮上したのだと思います。
一方、物流のラストワンマイルに、今のところこのような僥倖は無さそうです。
宅配ボックス、店頭受け取り、ドローン配送、EV自動集配車、協同再送、まとめ配送、最近では“無人配送ロボ“の公道実験開始のニュースなど、すでに在るもの、今後出てきそうなアイデアを並べてみても、それ一つで全て解決できるようなうまい策は見当たりません。
結局、技術革新と社会的要請に眼を配りつつ、法整備、個人発注主の意識改革までを含む複合的アプローチを進める以外に、道は無さそうに見えます。