トヨタ自動車が2019年3月期の連結業績見通しを上方修正しました。売上高29兆5000億円と過去最高、純利益は2兆3000億円を見込んでいます。

 

1970年代末、トヨタの売上高は、私のエンジニアとしてのキャリアをスタートした自動車メーカーの5倍程度であったかと記憶していますが、今や約15倍、純利益が売上高に相当しています。企業の発展の仕方は、かくも大きな差を生むものかと感慨を覚えます。

 

トヨタの最近の業績は、良くも悪くも米国の通商外交政策の風下にあるように感じます。昨期の決算には、米国子会社の法人税率低減が大きく寄与しました。今期に限っても、米国では利幅の大きいピックアップトラックで助かり、不得手の中国でシェアを拡大しているのも、米国の政策と無関係とは思えません。米中の覇権争いは当分続きそうで、この大きなうねりの中で日本の針路を見定めなければならないのは日本政府だけではなく、一自動車企業であるトヨタにとっても同様でしょう。

 

そんなトヨタも、コネクテッドとシェアビジネス、自動運転と電動化への投資に怠りがないようにも見えますが、果たして正しい選択なのかは、今後の展開次第です。

 

個人的な嗜好にすぎないかもしれませんが、長年のトヨタデザインが好きになれませんでした。時にハッとするようなクルマが出るものの単発で、総じて凡庸でした。素晴らしいデザインだった初代プリウスに対し、現行プリウスの酷さは目に余ります。昆虫もどきのレクサスデザインも好きになれませんでしたが、最近のモデルはやっとまともな姿になりつつあるように感じます。最新カローラも広く世界で受け入れられやすいデザインを獲得したように感じます。

 

今や世界のビッグスリーの一角で、純利益率では、GM、VWを圧倒しているトヨタは、今また大きな変革期を迎えているように思います。過去に何度かの危機的状況を、時々の商売上手で切り抜けながらも将来への投資も忘れなかった故の今なのだと思います。よくも悪くも、日本の製造業を支える一本の柱であるトヨタの針路が、迷走しないことを願っています。