VWが、先月行われたウイーンモーターシンポジウムで3種の新エンジンを発表しました。
一つ目は48Vマイルドハイブリッドシステムです。通常の乗用車は12Vのシステムですがこれを48Vに替えることで、エネルギー回生能力と効率を向上して、内燃機関エンジンを補うシステムです。
二つ目は、排気量1.5 Lの天然ガス エンジンで、三つ目が2.0Lのディーゼルエンジンで12Vのマイルドハイブリッドです。どれも、燃焼過程を含み最新技術が投入された、まったくの新エンジンといえます。
米国でのディーゼル排出ガス不正スキャンダルの汚点を背負ったVWが、いまさらながらディーゼルを含む新エンジンを、3種も発表したことは、驚きではありますが、2020年に迫ったEUにおける企業毎の燃費規制対応への、現時点でのベストソリューションがマイルドハイブリッド内燃機関と天然ガスエンジンということなのだと思います。
一時は、TOYOTAのストロングハイブリッドシステムに先行されたドイツメーカーが、ハイブリッドをパスして一挙にEVに行くのではないかとの観測記事が見られましたが、そうではないことがはっきりしました。
一方で、走行時に排出ガスを出さないEVは、大気汚染問題と自国の自動車産業保護育成という国家課題をかかえる中国の結論です。今や圧倒的な市場規模をもつ中国で、商売をせざるを得ない世界中の自動車業界が一挙にEV開発に殺到している理由です。
とはいえ、今回のVWのニュースにみられるとおり、内燃機関の技術開発は一挙に萎んでしまうわけではありません。EVは都市の大気環境改善には有効ではあっても、CO2排出量問題を根本的には解決できません。それは、現在の発電プラントの構成比率を前提にするかぎり、自動車が発電プラントで作られた電気で走ることになっても、CO2排出量は減らすことができないことが明らかだからです。
グローバルな温暖化CO2排出量問題の解決に、EVが有効でないことは分かってはるが、中国と一部の大都市大気汚染問題のためには、内燃機関の改良だけでなくEV開発も進めなければならない。これが、現時点で多くの自動車会社の共通認識になりつつあるのだと思います。
両方ともに、自社のみで開発を完結できるほどのメーカーは限られます。これに加えて、さらに難しい課題である自動運転の技術開発に遅れをとることもできません。
結局、全てを隈なくカバーできる少数の企業グループに統合再編され、そのグループからはずれたメーカーは、生き残りをかけて、ニッチな居場所を探すことになるのでしょう。