米国有数のディーゼルエンジンメーカーであるカミンズが先月、電動大型トラクターを発表しました。今月に予定されているテスラの電動トラクターの直前であったこともあり、かなりの注目を浴びたようです。

 

AEOSと呼ばれるこのトラクターは、140kwhのリチウムイオン電池を積み、航続距離160km、ベッドをもたないデイキャブタイプで、セミトレーラーをけん引するクラス7カテゴリーの大型トラクターです。

 

AEOSは、大陸横断するような本格的なクラス8トラクターとは異なり、港湾のコンテナターミナルや、市街地での短距離ユースを想定したもので、160kmの後続距離はあまり大きな問題にはならず、業界の反応も良いようです。

 

現在最先端のリチウムイオン電池のエネルギー密度である250wh/kgとして、140kwhの容量をもつには560kgの重量になります。ペイロードが約20tのこのクラスのトラックとして、なんとか許容できる上限重量だとおもいます。

 

広大な国土面積をもつ米国でも、高密度で人々が暮らしている都市部であれば、大型トラックとは言え、ゼロエミッションが求められる時代に入りつつあるのだとおもいます。

 

1980年代に最初にロスアンジェルスに降り立った時、想像していたカリフォルニアの青い空ではなく茶色にくすんだ空に驚き落胆したことを思い出します。東に山脈があり西に太平洋を望む地形のこの地域に、絵に描いたような自動車社会が築かれていて、西から吹く海風に行き場を失った排気ガスが空を覆っているのでした。こんなカリフォルニアだからこそ、エミッション規制先進州にならざるを得ない事情は、この時よく理解できました。

 

カミンズやテスラが造る、セロエミッション電動大型トラックが、ロスアンジェルスのロングビーチ港やフリーウエイ91を走る姿は、容易に想像できます。