『100グラムのいのち』 | イブうさぎ

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うちのうさぎ(箱うさぎ経由で引き取った業者が放出したうさぎ)の紹介と、2022年12月に都内で発覚した多頭飼育崩壊のうさぎを保護して里親募集する活動の紹介。

昨年11月の譲渡会に本を持った女性が訪ねてきました。
太田京子さんという児童文学者です。
ミグノンの友森さんの活動を取材してまとめた本が発行されたのです。


譲渡会の合間に本を手に取ってみました。

おや、背表紙に懐かしい顔が。


耳が片方欠けていたルビーちゃんの保護直後。
動物愛護の本でウサギも取り上げてくれるなんて、貴重だわ。
どれどれ中はどうなっているのかな?


杉並多頭崩壊で一度に20匹以上ミグノンのサロンに保護されて、
お客さんの一人がルビーちゃんを一時預かりしてくれた話が克明に書かれています。

犬も一時預かりしていて、先住犬とルビーちゃん、一時預かりのシェルティ犬が
仲良くなったので、犬もウサギも正式譲渡の手続きをする、
と、秋口に譲渡会に来られました。うさぎと犬が仲良くなることなんてあるんだなぁ
と思いました。

ルビーちゃんのほかに、福島計画避難区域の触れ合い施設に残され、
近所の人が「もうこれ以上、残ってエサをやることができない」とSOSを発して、
友森さんがダチョウやニワトリと一緒に救い出してきたダッチうさぎ達。

青山でミグノンの譲渡会を開催したとき、
「貰い手がつきにくい兎を貰います」
と若いお嬢さんがやってきました。

そのときの出場メンバーは我が家で一時預かり中に出産した6匹の仔うさぎ、
のちにパティ&ジミーと改名した灰色♂とヒマラヤン♀、
地上性なまけものさんが預かっていた灰色おすぎ&黒色ぴぃ、
そして、牛眼の牛子でした。

牛眼とは大きく腫れた眼のことを言います。原因はさまざまです。

初めてウサギの牛眼を目にして、正直に言って、
「このウサギを貰う人は現れないだろうなぁ、困ったなぁ」と思いました。

ところがその若いお嬢さんは
「このコを貰います」
と言いました。

翌々週に杉並のサロンで譲渡会があり、そのお嬢さんはご主人とお子さんと共に
来場しました。犬や猫を見て周り、最後に
「この前のコを貰います」
と申込み用紙に記入し始めました。

そのとき私は、目から涙が垂直に噴き出るのを感じました。

あれからどうしているか知りたかったウサギのひとりです。

本によると、杏ちゃんという名前になり、家族で可愛がっているそうです。
本当に良かった。譲渡会の最中に立ちながら、ページをめくって泣いてしまいました。

家でゆっくり読み直すと、ミグノンの友森さんとウサギの関係は深くて、
小学校の飼育委員でうさぎの世話を通して、
将来動物に関係する仕事に就く決心をしたそうです。

もうちょっと大きくなってからも学校飼育動物のうさぎを引き取って、
家で放し飼いしていて、家族の一員として一緒に生活していたとか。

友森さんは元々「うさぎのおねえさん」と界隈の人に言われていたそうです。

ミグノンでうさぎを保護してもらうのは偶然でなく必然だったかも…。

灰色うさぎで猫一時預かりボランティアのちゃちゅけが預かって、
東金シェルターで犬ボランティアに通っていた女性の友人が貰ってくれた
メル君の保護直後の写真も載っています。


本当に良かった。皆、よい家庭に移動しました。

『100グラムのいのち』 著者:太田京子、発行:岩崎書店

印税がミグノンに寄付されます。児童書ですから、お子さんへのプレゼントにも最適です。
小学校に寄贈したら、多くの子供に読んでもらえるかな。
震災後の動物救出の貴重な記録にもなっています(まだ、被災ペットの問題は続いています)。