【まともトーク】コートとマット、選べと言われてもさぁ。 | ブックホンのブログ

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こんばんはぶっ君です。

 

 

 

観ましたか『竜そば』←完全に家族経営の蕎麦屋w

『竜とそばかすの姫』ですよ!

ツッコみたいところはエンターテイメントと割り切って、

面白かったです!ってか泣いたわ娘の前でw

 

だめなんですよ、我関せずだった群衆がひとりずつ共鳴しはじめて…って展開。

すぐ涙腺やられてしまいます。歌なんか歌いだした日にゃもうねw

 

 

 

さて。

 

 

 

 

今日は用紙のお話です。

ブックホンはお電話でのお問い合わせも多いのですが、おそらく、

用紙の話で最も多いご質問は、

 

コート紙とマットコート紙ってどう違うの?

 

だと思います。(ぶっ君調べ)

どっちもコートって書いてるし、ですよね。ごもっとも。

 

おそらく上質紙・コート紙・マットコート紙は、

印刷を掲げる会社なら、ほぼ確実に、選べる種類の中に記載があると思います。

 

出発点は同じパルプでできた紙だと思っていただいて大丈夫です。

順にいきますね。

 

 

まず、出発点にある紙が上質紙です。

もちろん、実際には細かな分類があるわけですが、そこは割愛して、

普通の何の変哲もない白い紙、超ざっくりいえば、

 

パルプでできた、何の加工もない紙が上質紙

 

です。これらは『非塗工紙』とも呼ばれます。

(あとは化学パルプの含有率違いで中質紙なども。上質は含有率100%)

 

 

 

『非』があるなら非の付かないヤツもあるんじゃないの?

 

と思われた方、正解です。

もともと和紙や上質紙しかない状態ならわざわざ別称で分類する必要もなく、

『塗工紙』が出来たから、逆説的に『非塗工紙』と呼んでいるだけですね。

 

 

なら『塗工紙』って何よ?

 

 

 

もっと滑らかで、ツヤツヤで、豪華に見える紙はないの!?

と偉い誰かに言われたのかどうかは知りませんが、

上質紙の表面に塗料を塗布したものが塗工紙です。そのまんまですねw

 

ですが、ただ塗っただけではツヤも滑らかさも大したことはありません。

わかりやすく、図中では塗工紙と書きましたが、言わば『塗工紙の前段階』です。

ここから塗布量を変えたり、ローラーに通し高圧をかけたり、

温度調節を加えることで様々な塗工紙を作ります。

 

 

 

 

その調節具合で生まれるのが、コート紙とマットコート紙です。

ですので、『コーティング(塗布)されている』という広い意味では、

マットコート紙もコート紙です。

実際、よく言われる『コート紙』は、ほぼ『グロスコート紙』を指していて、

どちらかといえば、『グロス』を省略するからややこしく感じるんですねw

 

・グロスコート紙

・マットコート紙

 

と書けば、同じコート紙なのね、グロスとマットはどう違うの?と

まだわかりやすいのかもしれませんね。

 

ただ現実的な呼称では、『マット(コート紙)の135K』や、

『(グロス)コート(紙)の90K』などと呼び分けられています。

 

 

 

 

 

【コート紙の特徴】

 

具体的なコート紙の特徴は、

 

・表面がツルツル・テカテカで光沢があり、華やかな印象

・『135K』など、厚さの目安になる〇〇Kが同じ場合、コートの方が薄い

・発色が良く見える

 

などでしょうか。もともと紙自体に光沢があるので、

白い部分や紙の地色が影響する淡い色などは、明るい感じに見えますし、

上質紙と違い、インクを吸い込んでしまわないので色が沈みにくい利点があります。

 

半面、インクが乾きづらいので裏写りなどの気遣いは必要ですし、

文字を読む際に光沢は邪魔になるので、文字のボリュームには要注意、

といったデメリットもあります。

 

 

メリット・デメリットの話ではありませんが、

より滑らかさと光沢を得ようと用紙に強い圧力をかける結果、

嵩が抑えられてしまうので、目安として薄手になりがちです。

例えば同じ『110K』の用紙を比較すると、

 

・上質110K=約0.14mm

・マットコート110K=約0.13mm

・コート110K=約0.10mm

 

となります。わかりやすく200ページの冊子に置き換えます。

 

・上質110K 200ページ=約14mm

・マットコート110K 200ページ=約13mm

・コート110K 200ページ=約10mm

 

つまり、「用紙をコート系に変えたい!」と思って、

単純に数字が同じという理由で、例えば上質110K → コート110K に置き換えてしまうと、

背表紙のデザインに影響が出ることもあります。

用紙の厚みはページの硬さ・めくりやすさにもつながるので、用紙の変更は注意が必要です。

(これはコート紙に限った話ではありませんが)

 

 

 

 

 

【マットコート紙の特徴】

 

マットコート紙の特徴は、

 

・表面はしっとりとした手触りでツヤはなく、上品な印象

・文字も写真も見やすく仕上がる

・やや落ち着いた印象の発色に

・スリ傷に弱い

 

などがあります。いわゆる『マット調』に仕上がる用紙で、光沢はないので

文字も写真も多い冊子などにはおススメできます。

塗工の際の圧力もコート紙ほどではないので、上品な印象もありながら、

冊子の全体的なボリュームを作りやすい感じ。

 

ただ若干ですが、色が落ち着いた感じになるので

データ上は気持ち明るめに、画像の補正処理をしておくといいかもしれません。

 

あとはスリ傷、特にひっかき傷に弱く、グレーのスジ状に跡が残ります。

これはある意味、マットコート紙の宿命なので致し方ありません。

(コート紙も跡がつきやすいですが、不思議と思ったより目立ちません)

 

 

 

 

 

最後に、ノートなど用途は限られますが、【文字の書き込み】について。

 

 

 

 

塗工紙は、文字を書く(書き加える)ことにあまり向いた用紙ではなく、

『書けないことはない』ものの、滑らかには書きづらいです。

(コート紙は滑る、マットコート紙は引っかかる感じ)

 

筆記用具のほとんどは、

『用紙の凸凹に粉や液体を絡ませる(あるいは浸透させる)』

ことで成り立っている感じなので、

凹凸を無くし滑らかさを求めた塗工紙とは相性が悪いのかな、と思います。

 

書き込む要素がある冊子なら、おすすめは

 

上質紙 >>> マットコート紙 > コート紙

 

といった感じですね!(あくまで主観ですが)

 

 

ブックホンでサンプル印刷を利用する場合は、筆記テストも確認ポイントですよ!

 

 

 

 

 

 

いかがでしたでしょうか?

 

 

用紙の良し悪し=特徴はそれぞれにあるので、上手に使って頂ければと思います!

用紙選びのお役立ちになれば幸いです。

 

 

 

 

それではまた。

 

 

 

 

 

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