娘が産まれてから、
以前より歌うことが増えた。
というより、
ミュージカル『サウンド・オブ・ミュージック』みたいに、一日中、事あるごとに歌っている。
手洗い、散歩、料理、着替え、綺麗な景色を見つけた時・・・
日時生活ヒトコマヒトコマで、
歌いながら娘とノリノリリズムで時を楽しむ。
『パンツは~♪
どこに~行ったのか~?
パンツが~なーい!
おしりが~しゃぶーい!ブルブルブル~♪』
パンツを探しながら、
娘の心境を歌にしてみたり、結構楽しいもんだ。
旦那さんも、
即興の達人!!三人でよく歌っている。
歌を歌ってるうちに、
心ウキウキモードに突入するから不思議だ。
中でも、子守唄は私も一緒に心地よい一時となる。
子守唄の中で、
私が好きな歌がある。
・・・・・私は、中高校時代、
時間を見つけては農作業したり、
横浜の海辺でウクレレ弾いたり、
元町でネコ探ししたり、山下公園で絵を描いてたりとのんびり休日を楽しんでいた。
ある夏の日。
その日も横浜で、フリマや雑貨屋巡りをして1日を楽しんだ。
ふと観覧車の時計盤を見ると、夕飯の時刻を知らせている。
急いで帰ろう。
街は、夕焼けで杏色に染まりはじめ、
ソーダみたいな天井に、一番星が点滅しはじめる。
ビルの紺色部分を通り抜け駅へ・・・
すると、とても心地よい音色が聞こえ、
吸い込まれるように音源へ向かっていった。
茜色に照らされた、ビルの片隅で路上ライブが行われてるようで、
子守唄が聞こえてきた。
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深い深い
海の底では
波が流れている
高い高い
空の上でも
風が吹いている
時には、
ゆっくり
おやすみなさい
僕の唄でも
聞いてって
ゆらゆらゆらゆら
漂って
ふわふわふわふわ
おやすみなさい
海へ
空へ
あなたへ
僕へ
唄をひとつ
**********
本当に、心地よい子守唄。
あったかい南国の波打ちぎわにいるみたい。
天使がいるなら、
木の上で足ぶらぶらさせながら歌っていそう。
スッと眠りの世界に引き込まれてゆきそうだった。
音の主を見て、
一瞬ドキッとなった。
・・・手が無い?
しかし、そんな事はすぐ吹き飛び、
彼らの歌声世界に再び引き込まれていった。
名前は『アルケミスト』さんだったと思う。
澄んだ声。
春の日だまりのように暖かな優しさ。
自然の移ろいを溶かしこんだ歌詞。
歌声が、生きて体に染み渡ってゆく。
気づくと、ポロポロ涙をこぼしながら突っ立っている自分に気づいた。
こんなことは初めてだった。
ライブが終わったあとも、ずっと聴いてたかった。
CDがその場で販売されたので、すぐに千円握りしめ列に並ぶ。
直筆サインと、
あと私の顔見てインスピレーションで動物を描いてくれた。
キャンディーみたいな星を食べようと、
首をのばしてるキリン。
私『キリンなんですか?』
アルケミストさん『そう、キリン。
高くても遠くても信じてれば、夢に届くから!』
ありがとう。
家に帰って繰り返し繰り返し聴いた。
あれから10年たったろうか。
引っ越しを三度繰り返し、久しぶりにCD聴こうと探したら見当たら無かった。
何処へ行ったのだろう・・・
脳内録音されてるのを頼りに、
娘に歌って聴かせている。
また街角で彼らの子守唄が聴きたい。
キリンは、いまだ星のキャンディーに届かず、
首を懸命に伸ばしている。