麦茶(日々の暮らし、心) -2ページ目

麦茶(日々の暮らし、心)

今はアラビア半島で生活中です。

だいぶ、前回の更新から間があいてしまいました。
五月末で遂に日本へ帰任することが決まり、帰国準備に色々あたふたし始めています。
日本での社会生活に対する漠とした不安もありますが、何とかなるだろう。
仕事も忙しさのピークで、週末も予定がつまり気味。
ちょっと休息が欲しいところです。
しかも、こんなときに限って食あたりで腹が痛いここ数日です。

体調が悪いとどうしても英語の喋りが下手になる。
物忘れもひどいし、とにかく劣化気味。
そして物凄いストレスで涙出そう。

しかし、やり遂げるしかないね。

 

先週末はジッダから南へ220kmのところにあるアリース(Al Lith, الليث)という海沿いの小さな町で、二泊三日のジンベエザメと泳ぐイベントに参加してきました。
サウジの大学の海洋生物学研究所が主催する毎年恒例の評判の企画だそうで、ダイブ同好会の方々と家族で参加してきました。
紅海を回遊するジンベエザメの群れが、この時期はこのアリース近辺に来るそうです。

実は私、九年前にもフィリピンでジンベエザメと泳いだことがあります。
タガログ語ではジンベエザメをブタンディン(Butanding)と言いました。
当時、仕事でマニラに住んでいましたが、週末を利用して、ルソン島南部のレガスピ(Legaspi)まで飛び、ドンソール(Donsol)という小さな港町までジンベエザメを見に行きました。
その時は、バンカーボートの舳先に立つおじさんの信じがたい視力と経験でジンベエザメを見つけだし海に飛び込みます。
幸運にもしっかり見つけることができ、一緒に泳げました。
それは、かなり感動の体験だったので、今回は是非、かみさんと息子にもと思いました。
ドンソールは水が大変濁っていて、まぁジンベエザメはプランクトン好きだから、そういう海にいるのだなと思い込んでいました。
ところが、さすがは紅海、かなり透明度が高い。
これはかなりクリアに見えるのではないかと期待大でした。

研究目的でタグがジンベエザメに付けられており、それをリーフにおかれたListening Stationなる機器が感知するため、ある程度、群れがどのリーフの近辺にいるか分かるようです。
とはいえ、リーフ間の距離もかなりあり、海は実に広く、最後は泥臭く目を皿のようにして探すしかありません。

さて初日、天気は快晴。
朝7時に出帆。
全く波のない、べた凪の状態。
海面は水溜りのような光沢です。

そこにマンタが現れました。


マンタを見るのは初めて。
くっきりした黒白模様と肌の滑らかさ、大きさに感動します。
何度目かのチャンスで意を決して飛び込みます。
日頃の運動不足と老化か、なかなか追いつけませんが、それでも深いところへ逃げて行くマンタをしっかり目に焼き付けました。
マンタはあまり社交的ではないらしいですが、満月のせいか凪のせいか、何匹もボートの周辺に現れました。
何だか幸先良さそうだと思ったものの、お目当てのジンベエザメが全く見つかりません。

取り敢えず、リーフでシュノーケリング楽しみ気分転換です。


何でもジッダよりも南にあるため、海水温が二度ほど高いらしく、珊瑚は白化気味ですが、それでも多くの美しい小魚の溜まり場になっていました。


さて、気を取り直して午後。
ダメです、ジンベエザメは出てきません。
明日に賭けるしかないと諦めモードになっていたところ、ボートの周りにイルカの群れに遭遇。


いやはや、入れ替わり立ち替わり10匹くらいいたでしょうか。
その群れが、ずっとボートを追っかけてきます。
実に感動的です。

さて、二日目は若干風があり、海も少し波立っていました。
コーストガードからは昼くらいから悪天候になるかもしれないので、その場合は速やかに戻ってくるように言われた上で出帆です。
程なくしてジンベエザメを発見です。
最初の発見時は飛び込むタイミングを逸してしまい、海の中で見られず。
しかし、すぐにまた発見、飛び込むと同時に、なけなしの筋肉をフル回転させ追いかけます。
そして、しっかりその後姿を見届けました。
フィリピンで昔見たときと比べて、かなり激しい動きをします。
三回目に見つけた時は、浮き輪をつけた4歳の息子を抱きながら、乳酸マックスで追いかけます。
かなりくっきり見えるところまで追いついたのに、いざというときに息子は海の中を見てないっ。
パパとしては最善を尽くしたつもり、、、。

そんなジンベエラッシュがひと段落しリーフでシュノーケリング。


しばらくすると、他のボートからジンベエザメ発見の連絡。
急いでボートに戻り、発見エリアへ移動。
暫くして、すぐ近くに背びれが見えるではないですか。
しかも私の方へ近づいてきたので、迷わずダイブ。
正面から対面です。
黄色い小魚をいっぱい従え悠然と泳いで行きます。
今度はしっかり写真にも収めました。

 


その後、風が強くなってきたため残念ながら早めに岸に戻ることに。
しかし、大満足の素晴らしい週末でした。

帰り道、大きな夕日、薄く草の生えた大地、ラクダを引き連れたベドウィンたち。


悠久のアラビアを駆る恍惚感に涙が出そうになりました。

この週末はほんと良く寝ました。
昨日などは、すでに昼過ぎから寝ており、こんなに寝ても寝足りないのだから、病気じゃないかと思ってしまいます。
たまにはこんな日もあって良いですがね。
村上春樹の1Q84を三年ぶりに再読していますが、牛河って俺かよ?って、所々思ってしまう。

そんなわけで布団の中でYou Tube。
最近、本当にシベリウス関係の動画鑑賞で自分の世界に浸ることが多い。
週に一度は見るフィンランディアの感動の動画を紹介します。


私の大好きな指揮者の一人、ユッカ・ペッカ・サラステの指揮するヘルシンキ・フィル&フィンランド放送響によるヘルシンキ・ミュージックホールでの演奏。
これぞフィンランドですね。
前半の泣きの弦の合奏の重さは堪らないです。
そして見所はフィンランド賛歌を客席通路に並んだ合唱団が歌うところです。
何だろう、この緑の清潔感と春の木漏れ日のように儚い二度の短和音の泣きは。


もう一つはFlashmob作品。
撮影場所はおそらくヘルシンキ中央駅でしょうか。
ゲリラ的に撮影を始めてこれ程までに整然とこの賛歌を歌い上げる。
これは、政治的芸術だと思いました。

そして、シベリウスの旋律は文句なく美しいという、ごく当たり前のことにまた気づく。
牛河には、似合わないかもしれませんが。
息子の幼稚園の学期間休みに合わせて先週末に3泊5日で初めてモルジブに行ってきました。
夜ジッダ発のスリランカン航空でコロンボ経由でマレへ。
空港に降り立つと、何とも懐かしい、南国特有の蒸し暑さ。

 


そして、マレからは海面離発着のプロペラ機(Seaplane、飛行艇)で30分程西へ飛びBaa環礁のReethi Resortという島へ。
ウェブサイトは↓
http://www.reethibeach.com

桟橋の下には、風呂のように透明な水が広がります。
たった100kmちょいしか離れていないのに、なぜかマレと時差が1時間あります。
マレはGMT +5 hoursで、ReethiはGMT +4 hoursです。
しかも、スリランカはGMT +5.5 hoursなので、三回時計の針を調整する必要があるので大変です。
もしかしたら、モルジブはイスラム教徒が大多数なので、昼のお祈りの時間をできるだけ時計の正午付近に合わせたいのかも知れませんね。


それにしても、移動だけで結構くたくた。
やっぱり距離以上に遠い国です。
そして、息子は発熱。
幸いクリニックもあるリゾートだったので、抗生物質で一日で回復。
俺は俺で、初日に浜辺で足を踏み外し、軽く右ももが肉離れ。
踏んだり蹴ったりのスタートですが、海が本当に美しく感動します。
ドロップオフまで浜辺から100mくらいか、案外近くて、魚も多く、一日中シュノーケルしていても飽きません。
波の音を聞きながら読書も贅沢なひと時です。

ドイツ人が経営するリゾートだからか、細かいところまでサービスが行き届いていて、また時間にきっかりしているのが特徴的です。
リゾートや宿泊プランの詳細が不明瞭な点なくガイダンスに書かれているのもドイツっぽい。
客層はドイツ、フランス、ロシアなどヨーロッパ圏中心で、リタイア世代が多い印象でしたが、子供連れが少ないのは学校があるからでしょう。
(うちの息子はアラビアのローカル幼稚園ですので、学期分けがサウジ式)
うち以外はアジア系宿泊客はおらず、またアラブ人もあまり見られませんでした。
観光客の国籍分布は島によってだいぶ異なりそうで、面白いです。

海の中の写真をいくつか。

 

 


毎日夕方にエイの餌付けが行われています。
エイはかなり動きが鈍く、餌も他の小さな魚たちに奪われてしまうので、生存競争に勝ち残っていけるのか心配になります。


アラビア海に沈む夕日。


ちょっと早いが家族で妻の誕生パーティもやりました。
苺とベリーの日本っぽい生クリームケーキをサプライズ段取りしておきました。
生クリームのケーキは海外では一般的ではないので、出来上がりが心配でしたが、美味しく頂けました。


しかし、三泊はちょっと短すぎたなぁ、、。
五泊くらいはしたかったかも。
夫婦年老いたら、今度また、ゆっくりと過ごしてみたいです、モルジブ。
四月からはリヤドからマレへのサウジアラビア航空の直行便が就航するそうで、サウジからはだいぶ近くなりますね。

政治的にはクーデターや大統領爆殺未遂など不安な側面もあります。
人権派弁護士のアマル・クルーニーが前大統領の釈放に尽力するなど最近ニュースでやってました。
マレのように素通りされそうな時事です。
右から左に書くディベヒ文字もアラビア文字の遠い親戚っぽい形で興味深い。

さて、サウジに帰国してみると、まずたばこが突然値上がりしていることに驚き、ロシアがシリアから撤退を決めたことに超驚きました。
そして、今日は今年一番の猛烈な砂嵐で窒息しそうです。
サウジ生活の仕上げを進めていきます。


コロンボの空港で飲んだEGBなる生姜汁入りジンジャーエールが超美味かったのでメモ。
昨日はラービグにて日本人会のスポーツ大会に参加してきました。
ソフトボールは10年以上ぶりでしょうか。
炎天下、キャッチボールだけでも息切れしてしまい老化を痛感しましたが、気持ちよかったです。
そして、サウジで本物の寿司も味わえ、あとはビールがあれば最高ですね。



しかし、一夜明けてみると全身筋肉痛で、特にももと尻がひどく、膝が曲げられませんでした。
ほんとに情けない限りです。
これは、俺も何か始めねばならないと危機感感じますわ。
そんなわけで、今日は家族サービスは殆ど出来ず。

息子とフィリピンモールことSarawat Centerで池の亀たちを観察するなど静かに過ごしました。
ここに来ると、自分がアジア人であること再確認できて何だか好きですよ。


そして、久しぶりにフィリピンの国民的ファーストフード、Jolibeeで昼飯。


んー、Jolibee、その柔らかい肉とバンズが好きです。
さて、小休暇まであと四日。
今週も頑張ります。