こんにちは。
助産師の松嶋です。
今日は色んな質問の中から、今でも信じられてるんだ
そんなお産に纏わる迷信のはなしです。
『迷信』
迷信とは、人々に信じられていることのうちで、合理的な根拠を欠いているもの。一般的には社会生活をいとなむのに実害があり、道徳に反するような知識や俗信などをこう呼ぶ。様々な俗信のうち、社会生活に実害を及ぼすものである。-Wikipediaより
『迷信』と言うにはおおごとかもしれませんが、巷・・・ネットでも『まことしやかに』囁かれている『お産の迷信があります』
ではでは
◼️前にせりでたお腹は、男の子◼️
以前、年配の女性から
「こんなにお腹が出ているから男の子なのね。」
と、話しかけられた方が
「いえ、女の子なんです。」
「そんなはず無いわよ!こんなに出てるのに!」
・・・
でも、女の子です
面識無い方に性別を伝える必要はありませんが、何だか逆ギレされてショボンでしたと。
昔から、前に飛び出たお腹(尖腹)の性別は男の子とまことしやかにに囁かれています。
ま、エコーなど無く性別の判定が曖昧な時代ならわかりますが・・・
今はお腹を支える筋肉が低下したり、姿勢の悪さから尖腹の妊婦さんをよく見掛けます。
お腹の赤ちゃんは男の子・・・ではなく女の子の場合も普通にあります。
つまり・・・
男の子だから尖腹になるのでは無くて、筋肉や姿勢などの問題で尖腹になるのです。
◼️初めてのお産は遅れる◼️
これもよく聞かれます。
初産の方がみんな予定日を過ぎないと生まれないなんて
そんな事は、ありません。
よくあるあるは、
『里帰りした初産は』・・・要注意。
久しぶりに里帰りしてきた身重な娘。
家事は全部してくれて、好物など張り切って振る舞われたら・・・
体重は増えるし、動かないから子宮の出口の準備が進まない(医学的には子宮頚管の熟化が進まない)から生まれない。
だけならまだしも、
体重が増加し血圧も上がってしまい、リスクも上がってしまう。
里帰りが悪い訳ではありません。
妊娠中も産後も人の手と目があることは、とても助かる事なのです。
しっかり歩いて、しっかり拭き掃除して授乳に向けてのケアもしっかりして赤ちゃんを迎える準備です。
逆に
「うちの孫、3週間も早く生まれちゃったみたいなんです!」
と、言われた事もありました。
「正期産に入っての正常な時期のお産だったんですね~」
そう、予定日の前3週・後2週の間の5週間が正期産なのです。
◼️お産が近くなると赤ちゃんが動かなくなる◼️
いえいえ、そんな事はありません。
赤ちゃんは短いサイクルで寝たり起きたりしています。
ママが寝ていても、ポコポコ動いていたりします。
いちばん分かりやすい元気なサインです
お産が近くなると、赤ちゃんが骨盤の中に入ってくると動けなく・・・
動きにくくなるかもしれませんが、『動かない』事はありません。
元気な子は最後1蹴りして出てくる子もいるくらい。
ポコポコ、グニュグニュ、グルンなど赤ちゃんが発信してる元気ですよサインは、いちばん分かりやすい元気なメッセージなのです。
お腹の赤ちゃんは、元気に生まれてくるのが当たり前に思われてる現代。
でも、生まれる前にお空に還ってしまう子が少なからずいるのです。
なので、妊娠後期の28週位から『胎動10カウント』を推奨している施設もあります。
始める時期は寝たり起きたりを繰り返しがはっきりしてくる32週頃からがいいなど色々ありましたが・・・
1日1回ゆったりと横になったり、座ったりして赤ちゃんが10回動くのに何分掛かったかを測ります。
30分以内にカウント出来るのが目安で、10~15分位でカウント出来てしまう事が多いようです。
この『胎動10カウント』が、すべての胎児を救えるわけでは無い事もわかりますが・・・
忙しくても、1日1回位お腹の赤ちゃんに集中して「元気かな?」とコミュニケーションを取る事は良いことだと思います。
7ヶ月位にはお腹の赤ちゃんの耳も聞こえてくる時期です。
話しかけたり好きな音楽を一緒に聞いたりした時、一緒にポコポコ楽しんでる子もいます。
他の人にはわからないから、ママが元気サイン受け止めて下さい。
そして、胎動が無くなった感じない(2時間以上とも言います)時は、すぐにかかりつけの産院に連絡して指示を仰いでくださいね。
私の中で
『お産が近くなると赤ちゃんが動かなくなる』この迷信は抹消して欲しいNo.1です。