大きく大きく深呼吸をする
ゆっくりと
でも確実に
この夜を
肺いっぱいに送り込む
ため息じゃないよ
だってため息は禁止だから
その言葉の意味よりも
声の感触が
嬉しいような哀しいような懐かしいような遠いような
声に触れたらいいのにな
ここにある声を抱きしめられたらいいのにな
きっとやわらかくてあったかいのに
掴めないものって切ないね
私は私でいることと
以下でも以上でもない笑い声
なんでもないことがなんでもある夜
塩キャラメルみたいな
涙をこぼし
記憶をたよりに眠りにおちる
早く帰ってこないかな
雪、降らなかったね