退路を断つ
息子がくれたお店とは、いえ、それなりの覚悟で、
まあ、退路を断つという感じで、臨んでいます。
子供達も妻も、喜んでくれるようにと
ただ、少し違うのは、若くないということと、
また、私自身は、ずっと従事する、職人では、
ありませんでしたので、
時たま、ミスをして、お客様に失礼なことになり、
正直落ち込んだりしています。
そんな時、こんなこと考えています。
寅さんが、老いちゃん、おばちゃんに、誰かが大いに世話になった時に、
言うセリフが、大好きなんです。
それだけ世話になっても、
このうちのもんは、菓子折りの一つでも持ってくれば、
もうそれで充分でと、おいちゃん、おばちゃん、さくらさん達の、
やさしさを、そのように表現しているのが、いいなあと
私の店でも寅さん風に、表現するならば、
ふらっと、たまに食べに来て、うまいうまいと言って帰ってくれるならば、
もうこの店のもんは、それで充分で
疲れも落ち込みも、みんな吹っ飛びます。
わたる