元阪神の川尻哲郎さんが経営されているお店「タイガースタジアム」(旧:虎尻が移転)のイベントに参加してきました。

タイトルのとおり、元プロ野球選手・広澤克実さんのトークショーです。

 

 

広澤克実さんは、栃木の小山高校から明治大学を経てプロ入り。地元は茨城県結城市になります。

私にとっては、地元の大スターであり同じ地区の英雄でした。

 

アマ時代はロス・オリンピックの金メダリスト。プロ野球では、ヤクルト・読売・阪神の3球団で4番に座ったスラッガーでした。

引退してからはNHKの解説者、阪神の打撃コーチ、コメンテーターなどを歴任。

 

まずは、「広澤克実」という選手のイメージを思い起こしてみました。

どういうイメージでしょうか?

ヤクルトでは池山、高津らと人気者になり、珍プレー好プレーで突拍子もない行動や発言をした記憶はないでしょうか?

阪神ファンの方なら、「お立ち台で六甲おろしを歌った選手」という認識の方も多いと思われます。

少なくとも私は、「面白いキャラのお調子者」というイメージでした。

 

しかし、そのイメージはトークショーが始まってから、すぐに吹き飛びました。

 

 

まず入場して着席した途端に、店主の川尻さんに「換気が足りない」との注意を始めます。

怒るようにではなく、芸人さんの「ツッコみ」といった感じでの注意でした。

 

そして黒マスクの川尻さんにさらに注意。

「大きさの単位には、ミリの下に「n(ナノ)」がある。ウィルスの大きさはナノ単位だが、黒マスクの穴はミリ単位だから効果は無いぞ」と・・・。

面白キャラのような口調でしたが、しっかりした知識を披露してくれました。

 

トークショーは、阪神対横浜の試合を観ながら解説を聞く方式。その途中で質問を受け付けてくれます。

私は一番遠い席だったので、質問は不可能でした。

ちなみに解説には広澤さんの他、かつての阪神ドラ1「的場寛一」さんも参加されていました。

ノーヒッター川尻、ドラフト1位的場、4番打者広澤の3人解説はとても有意義でした。

 

ですが、その日は阪神が一方的に負けた試合、もちろんほとんどの参加者が阪神ファンです。

途中で試合を観る雰囲気では無くなってしまいました。

そして、ここから広澤ワールドが始まりました。

 

知的好奇心をくすぐるといいますか、とにかく知識が幅広くて面白い!!

 

 

まずは、「四球でノーアウト1塁になったときと、ヒットでノーアウト1塁になったときを比較した得点の確率」の話から。

一部の方々は偏りがあると主張していますが、得点する確率は同じだそうです。

他にボールの回転数の話も出ました。

セイバーメトリクスの話が出て、一気に嬉しくなった私。

 

そして「人間の眼は錯覚を起こしがち」という話。

1メートル前に8センチ四方の・・・・と、詳しいことは忘れましたが、心理学とも人間工学ともとれる解説で変化球の説明をしてくれたのでした。

 

もちろん、投手のリリースポイントや捕手のキャッチングなどの技術的な話もありました。

それを元プロ選手の3人で回した時のトークは圧巻でした。

プロ選手3人の経験を基にした解説は、皆さん納得していたようです。

すっかり試合のことを忘れて聞き入っていました。

 

さらに野球の歴史について語り始める広澤氏!

「野球が日本に伝わったのは1860年、桜田門外の変が起こった年です。さらに7年後に”ベースボール”を”野球”と訳した中馬かなえが生まれます。この時に大政奉還が起こりました」

・・・・野球の歴史に日本史を加えた解説は、まさに私が目指している勉強方法!!

とてつもなく参考になりました。

 

そこから、ゲッツーやフォアボールなどの和製英語がなぜ誕生したのかなども付け加える博識ぶり!

 

さすが野村克也の教え子、賢いです!!

かなり勉強している人なのだということが伝わり、良い刺激をいただきました。

 

阪神が大敗したにも関わらず、ガチ阪神ファンの方々も楽しい時間を過ごせたようです。

 


川尻さん、的場さん、広澤さん。

 

 



ハムファンとして、嬉しい発言がひとつ。

 

「今は3ボールになると拍手が起こりますよね。選手には有難いですよ」と言っていたのを聞き逃がしませんでしたw

これは、元近鉄の佐野滋紀さんも同じことを言っていましたが、やはりそうなんですね。

理にかなった応援というのが認識できました。考えた人、凄いなぁ~。

 

面白おかしくトークを聴いて、数学・物理・歴史・英語の知識を披露し、色々な持論を展開した広澤さん。

これは「野村ノート」のなせる業か、はたまた元からインテリだったのか?

そこまでは見抜けませんw

 

最後に川尻さんが、1人1言の時間を設けてくれて、私は自分の高校に毎年ボールを寄付してくれたお礼を!

 

当時は、広澤さんから地元の高校に寄付がありました。この学区全体に配って入れていたようです。

しかしご本人はその件は知らなかったようで、関係者の方が動いていたとのことでしたが、広澤克実という人物の影響なのは確実です。

 

ホント、大満足のイベントでした。

広澤さん、川尻さん、的場さん、そして誘って頂いた川尻さんの同級生の方には、心から感謝です。

 

帰る頃には、球場に行けないストレスが一気に吹っ飛んだ気分でした!!