著:甲田 学人 挿絵:三日月 かける
「断章のグリム 幸せな王子・下」
葬儀屋・瀧修司とその助手である戸塚可南子の元から、浅井安奈の蘇生体を連れ出し、逃亡を続ける田代亮介。
病院で自殺を計った少女の残した手紙は、自分たちがいじめていた浅井安奈の復讐を匂わせる内容だった。
その被害は、同じように安奈をいじめていたクラスメイトにまで広がっていく。
一方で、雪乃は満身創痍の蒼衣と、可南子に対する不信感が募る中、安奈のクラスメイトに接触を図る。
しかし、可南子はすでに動き出していた。
葬儀屋の〈断章〉によって生まれた安奈。
それは不完全な蘇生であり、元の人格が失われている。
それでは作品として不完全であり、何よりも瀧修司の作品として永遠で有るのは自分だけで良いと言う、独占欲を超えた執着心。
つまり、戸塚可南子は作品で有るという事。
瀧修司と戸塚可南子の過去に有るのは、正しく幸せな王子。
この泡禍の元凶は果たしてどこに有るのだろうか。
そしてまた、物語は残酷な結末を迎える―――。
はい、今回も救われないです。
瀧修司が葬儀屋へと至る過程が明らかとなり、戸塚可南子もまたその一端を握ることが記されました。
田代亮介もまた、蘇生体である浅井安奈と関わり、変わっていきます。
浅井安奈をいじめていたクラスメイトに、彼女を与えた果てに、彼は病院一つを巻き込んでしまいました。
どちらの根底に有るのも、愛情。
ですが、ソレは本当に愛情なのでしょうか。
答えは出ないのかもしれません。
しかし、この件に関わった人たちが失った物は、決して小さいものではないでしょう。
受けた傷もまた、同様に・・・。

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