:榊 一郎  装絵:usi

「ザ・ジャグル 汝と共に平和のあらんことを Ⅴ」





民衆に「平和の実在」と言う大嘘を百年かかっても信じこませる。

ジェイドは、〈チェシャ猫〉の語ったその言葉=信念に納得を覚える。

自分は、戦争以外の人生を知らない。

だが、逆に戦争を知らない人生を歩むものも居る。

そして、新たに生まれる命もまた、戦争を知らずに生きられるかもしれない。

けれど、その為には虚構であったとしても、平和を続けなければならない。




キャロル・フォートマン、シオリ・フォブロスのコンビに、自らが〈手品師〉で有ることに気づかれたジェイド。

彼女たちの前から姿を消し、〈手品師〉の本拠で過ごす彼は〈白兎〉に、自らが良く尋ねた言葉をかけられ、自問する。



だが、答えが判然としない中、〈ジークルーネ〉がオフィールへ最大の陰謀を仕掛ける。

難民の中に紛れたテロリスト達を操り、グレート・ピラーの電波発信施設を襲撃。

彼の狙いは果たして―――。

平和都市オフィールの悪夢のような一日が始まった・・・。







完結です。

全滅エンド!

・・・を、榊氏は構想していたようですが、そっちじゃなくて良かった。

落ち着くべきところへ軟着陸したような感じです。



ジェイドを中心にして、その周りにいる人物たちドラマを描いた今作、かなりシブい内容だったと思います。

ダークではなく、アウトロー・・・微妙に違うかな。

平和の裏側で、平和を維持するために、戦い続ける〈手品師〉達。

物語として紡がれることはないけれど、彼らの戦いは終わりません。

くすぶる火種が燃え上がらぬように、平和の実在が存在することを証明するために。




なんて言うか、カッコいいと思ってしまいます。

こんな生き方、自分には出来ないと判っているからこそ、憧れるのでしょうか?





ザ・ジャグル 汝と共に平和のあらんことを 〈5〉 (ハヤカワ文庫JA)/榊 一郎

¥840

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:上栖 綴人  挿絵:卵の黄身

「はぐれ勇者の鬼畜美学 Ⅲ」




異世界への召喚。

三十年程前から発生し始めた現象は、当初こそ混乱を引き起こしたものの、異世界からの帰還を果たした者たちの協力を得て、異世界の情報はまとめられつつ有った。

現在確認されているのは、十を超える数。

そして、召喚されるのは揃って十代の少年少女達。

極めつけは、異世界に召喚された者たちは魔法などの特殊能力を習得していること。

科学が全盛を誇る世界に於いての、新たな技術、技能と呼ぶべきか・・・。

希望でも有り、危険視される魔法と言う特殊能力が、地球にも根付き始めていた―――。







BABEL〉ランキング戦に何者かが乱入する。

その正体は、異世界・アレイザードからの刺客、フィル・バーネットだった。

彼の目的は美兎と暁月。

美兎が絶望の淵で流す涙を見て、怒りを爆発させる暁月。

その圧倒的な力にフィルは為す術もない・・・かと思われたが、巧妙に隠した力は想像を遥かに上回るものだった。




美兎を守るために、美兎の居場所を作るために暁月は剣を振るう。

しかし、美兎=ミュウを中心にして、様々な思いと陰謀が渦を巻き始める。

果たして全てが敵に回ってしまうのだろうか・・・?









回は暁月がかなり窮地に叩き込まれます。

いや〈BABEL〉も、でしょうか。

美兎は窮地どころか、絶望に染まり、生きる気力を失いかけます。

そして現れる、ゲームで言えば裏ボスレベルの高次生命体。

暁月を敵視する生徒会役員達も、今回ばかりは彼と力を合わせて戦います。

かなり血が滾るシチュエーションですね。

変態ながら、カッコいい暁月のセリフは惚れてしまいそうです。




さて、次巻はどうやらアレイザードへと戻るお話になりそうな・・・。

そのアレイザードでは何かしらのトラブルが起こった様子。

意外と小物で終わってしまったフィルくんの代わりになりそうな敵は現れるのでしょうか?

はぐれ勇者の鬼畜美学(エステティカ)Ⅲ (HJ文庫)/上栖綴人
¥650
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:風見 周  挿絵:水月 悠

「女帝・龍凰院麟音の初恋 4」




龍凰院麟音と、相変わらずの関係を続ける悠太だったが、憧れの生徒会長美麗ともぐっと距離が近づいていた。



だが、彼のモテ期(?)は続く。

否、モテ期(?)始まりのキッカケとなった美少女が現れた。

その名はサラ・アークエット。



美麗より豊かな双丘、麟音よりも素直なデレ、そんな少女の正体は、とある国のやんごとなき立場にある方?



悠太を巡る争いに、突如参戦したサラを相手に、麟音と美麗はどう戦うのか。

暗雲立ち込める中、文化祭はもう目の前だ!



文化祭準備期間のお話ですね。






悠太たちから失われた夏休みの記憶、ソレを知っている女の子がついに登場でございます。

・・・って、日本人とはレベルが違うその身体を前に、炉利板以外の男が陥落しようはずがあるか、否無い!(反語)


というか、悠太にぞっこんで、女子連れ込み禁制の男子寮にある、彼のベッドに潜り込んでしまうぐらい、一途の様子。

悠太っ、死ねっ!

男子寮のムサ苦しい奴らが怒りを爆発させるのも仕方ございません。

私も正直むかつきます。



・・・閑話休題。


ですが、そんな悠太もどこか今までのようなシュプレヒコールを上げられないでいる様子。

彼の心境にどのような変化が?

それなのに、二人の間には溝ができてしまったようで・・・。

今度は一年三ヶ月などという間があかないように、早めの刊行をお願いしたいです。





女帝龍凰院麟音の初恋 4 (一迅社文庫)/風見 周

¥650

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