「なにがあるんやろ」
仕事が終わって
上西さんの家に行った
ピンポン押したらアカンって言われたし
押さずに鍵を回す
「お邪魔します...」
中に入って上西さんを
探したら
別途の上に寝転んでいた
「彩...?」
「あの私...」
ガバッ!!!
「彩ぁぁぁー!!
どうしよぉぉ!」
「えぇ...」
なんか突然腰に抱きつかれて
よくわからへん
「朱里ちゃんに嫌われたかもしれへん
俺どうしても冷静になれへんくて
あの子の前やと
変にカッコつけて
むりやねん!
思ってること全部言うてまうし
結婚とか...絶対引かれたァァ」
この人
ホンマに上西さん?
こんなにも焦ってるの
初めて見たんやけど
「あの...」
「っ...待って
なんか彩じゃない」
「あの、朱里です」
「...!?
...ご、ごめんっ!」
「え、ちょっと!」
上西さんは
飛び跳ねてトイレにこもり
鍵を締めた
「上西さんっ!」
「最悪マジでありえへん
ごめん、ホンマに
やばい...」
「落ち着いて...」
「絶対嫌われた
もうやって行かれへん
嫌やぁ...」
「プッ」
初めてやった
こんなにも焦って取り乱す
上西さんを見るのは
たぶんきっと私に
見せないようにしていた顔
こんな風になるくらい
私のこと...
「上西さん...」
「...なに?」
「私、結婚はまだ
考えれない」
「...」
「って思ってたけど
今ので安心した」
「へ...?」
「浮気は許さんし
仕事ばっかりなのも嫌」
「え、ちょっと待って
え?え?」
「上西さんとNY行きます」
「へ...」
「ただプロポーズなら
ちゃんとしてください
それより先にちゃんと付き合っ...」
ガチャッ!!
チューーーッ
「ンッ...上西さん」
「好きや...
マジで無理やと思った」
「余裕ない」
「かっこ悪いよなマジで...」
「んーでもそっちの方がいいっ」
「...変なの」
「安心できるから」
「...不安やった?」
「信じれなかった
たぶん私じゃなくてもって
でも言うてくれたから
まぁ、彩さんには
こんなにデレデレなのには
ちょっとイラついたけど」
「...ごめん」
「大丈夫ですよ」
「彩は幼なじみで
ホンマなんやろ
お姉ちゃんみたいな?
いっつも頼ってたからさ
ごめんな?」
「...条件があります」
「え?」
「私のことも頼ってください」
「頼る」
「私だけ頼るのは嫌やから
夫婦になるんでしよ?」
「...わかった!」
「あ、忘れてた」
「ん?」
ギュッ
「大好き、恵さん」
「なんでこんなに片付いてへんの」
「仕方ないじゃないですかぁ
急に決まったんやし」
「英語の本書いすぎ」
「英語話されへん!」
「俺話せるから」
「うわぁ出た
エリート発言」
「そんなんちゃうわ!」
「あープレッシャー」
「助けるやんか」
「当たり前ですー」
「はぁ、広い部屋
選んでよかった
荷物増えそうやし」
「フフフッ住み心地良さそぉー
やっぱりこの家具いいやぁ」
「センスあるもんな」
「やろぉ
仕事は?どーなった?」
「家でデザインして
まーちゅんさんに送ることにした
それの方が効率良さそうやし」
「ほぉなるほどねぇ
俺も頑張らへんとなぁ」
「そーやで恵さん
期待の星なんやから!」
「プレッシャー...」
「ヘヘヘッ」
「ま、家に最愛の人がいるから
頑張れるけどな」
「ンッ...任せなさい」
「何やそれっ」
END