今日から私の所有物 | さやみる推しのNMB妄想小説 別館
元の生活が戻った
楽しさなんかなくて
ただの優等生で
面白くなくてくすんで見える
それを平和と呼ぶんやろうか
私はアントニオといたときの方が
よっぽど平和やった
と言っても彼女は遊びで
私なんかに興味なんかないんや

学校のカバンは
前より膨れている
それはアントニオのジャケットがあるから
お守りやって渡されたから
捨てることなんかできひんし
なによりホンマにお守りみたいで
ずっと持ってる

ブーンブンブンッ
外ではバイクの音が鳴り響く
きっと貴女もすごい大きなバイクで
走ってるんやろうな
初めて後ろ乗った時
意外と小さくてでも
逞しい背中に胸が締め付けられた

(うるさいなぁ朝から)
(ホンマに迷惑)
(人間の底辺が)

少し前まで私やってそうやった
でも、今となれば
彼女ほどできた人間はいない
ホンマに...アカンな
全然わすれられへんやん

(てかさ先生にバレんかってんな)
(むしろ心配されたし)
(あの激尾古のアントニオやっけ)

「アントニオ...?」

影で言ってる子達にこっそり
近づいた

(親もさ小遣いくれたし)
(利用できたもんや)
(お礼言いに行ったろか)
(ホンマに、てか今日あれ行く?)
(いいねぇー)

どういうこと?
アントニオに殴られた子達やろ?
お礼?

放課後、彼らの後についていく
すると前と同じような路地裏
こっそり覗くとそこには...

ニャーーッ!!!

バキッ!!ドスッ!!

(ほらもっと鳴けよ子猫ちゃん)
(たまんねぇー)


なにあれ、猫踏んずけて
虐待ってこと?
じゃあアントニオはあのとき...
それより止めな...

「おいっ!お前ら何やってるんや!」

(げっ、)
(逃げるぞ!)

「ちょっ、待て!!!
追いかけるか?」
「いやいい」


「KY、ツリシ」

「「美優紀さんっ!?」」

「なぁ、前にアントニオが
うちの生徒殴ったんって」

「そうです!それは...」

「KYやめろ」

「嫌だ!美優紀さんには
ちゃんと知って欲しいから!

アイツら動物虐待してて
それを姐さんが目撃したんすよ
それで締めたんすけど
そのときアイツらが
今この状態を見ても姐さんが
悪い役になるって
俺らは優等生やから
住む世界が違うって
そーやっていうてそれで、姐さん」

(住む世界が違うねん)
(飽きた)

あのとき...
アントニオは傷ついたん?
正しいことしてたのに
苦しかったん?

「私やっぱり」

ピロリンピロリンッ
「あ、姐さんから
ちょうどいいこのことを話しましょ
もしもし姐さ...

誰やっ!?」

「どうしたKY!」

KYはスピーカーを押す

(アントニオは預かった
遊ばせてもらう
悪く思うなよハハッ)ブチッ!!

「姐さんが...」

「やばい!やばいどうしよ!」

「落ち着け
とりあえず同盟校へ連絡
怪しいところを探してもらう」

「おぉっ、でも姐さんが
捕まるなんて」

「...私のせいや」

「美優紀さん?」

「私がアントニオのお守り
持ってるから...だから」

「美優紀さんのせいじゃないです
とりあえず私たちは姐さんを」

「待って!!私も行く」

「ダメですよ!そんなの」

「行く!」

「そんなことしたら...」

「KY行くで...美優紀さん
私の後ろへ」

「っ...ありがと!!」