君に想いを伝えられたら | さやみる推しのNMB妄想小説 別館
美優紀に言わないといけないのは
分かってた
早く言わないと
傷つけるってことくらい
でも、言えなかった
チャンスがなかった?
いや、いくらでもある
理由は簡単や
私自身認めたくなかったから
美優紀に行ったら
ホンマに離れ離れになるって
そう決めつけることやから
だから、言えなかった
でも、そんな自己満なんて
長く続かんかった

ガラガラッ!!!

「おぉ美優紀お疲れー
何やそんな急い…」

「どういうこと?」

「は?」

「一緒に難波大行くって
言うてたやんな…」

「あ…」

「楽しみにしてたのに…」

「美優紀、それはな」

バチンッ

「嘘つき…永遠
信じてたのに」

バタンッ!!!

「みるきー!
彩追いかけへんと!」

「…資格ないよ」

「彩!」

「ごめん…
まーちゅん行ったって」

「あぁ分かった」


「彩…」

「分かってたのになぁ…ホンマ
最悪やで」

「彩…永遠って?」

「あぁ…前に初めて入賞した時」


(よっしゃぁぁー!)
(やったなぁ彩ちゃん!)
(おぉ!幸せやぁ!)
(これからも頑張ろな!)
(当たり前や!
さやみるきーは永遠やで!)
(っ…)
(ちょ、ちょいリアクションは!)
(いや…フフフ
気持ち悪すぎて出来んかった!)
(なんやとー!!)


「多分…あのときは
キモイとか言うてたのに」

「みるきー嬉しかったんよ
彩にそんな風に言われて」

「あぁ…」

「彩」

「ん?」

「これでええん?」

「…よくないで」

「やろ?じゃあ」

「でもな
仲直りしても辛いだけや
なら、このままの方がいいやろ?」

「彩、それは」

「ええねん、もう…」




そして迎えた卒業式
あの日から美優紀とは
口を聞いてへん

「じゃあ元気でな彩」

「あぁ」

「英語頑張らへんとな!」

「ホンマやな」

「こっちでも活躍が分かるくらい
売れてや?」

「分かったって」

「おぅ!じゃあ…あ」

「ん?…美優紀」

校門を出ようとしたら
門に寄りかかる美優紀がいた
すごい顔で睨んでるし

「美優紀」

「アホ彩」

「…まーちゅんあの」

「分かってる
じゃあねー!」



「アホ彩
なんで大切なこと言わへんの?
喧嘩した後も何も言わへんし」

「その方が…ええと思ったから」

「アホ!一人で決めて
間違ってんねん
さよならするんやったら
笑顔でしたいに決まってるやろ!」

「でも…」

「遊びに行くんちゃうんやろ?
パパのこと支えに行くんやろ?
メジャーになる夢叶えるためやろ!」

「知ってたん…?」

「分かるわアホ!
相方なめるな!」

「…ハハッそーやった
ごめん」

「彩…約束
絶対戻ってきて
行ったきりなんて辞めて」

「美優紀…」

「お願いやからっ…」

美優紀は辛そうに呟いた

「…当たり前やんか
美優紀も会われへんくらい
でっかくなって
帰ってくる
楽しみにしとき!」

「望むとこや
私やってビックになったる!」

「勝負やな」

「うん!」

「ふぅ…じゃあな美優紀
元気で」

「彩も!」

違う方向の帰り道
お互い歩き出す
これで良かったんやろか
気持ち…伝えへんと

ふり返った
声をだそうそう考えたけど
できひんかった

だって美優紀の背中
震えてた
喉まででかかった言葉
ぐっと飲み込んで
また帰る道に戻る

「美優紀…好きや」

届くはずないのに
そう呟いた


私の人生で唯一後悔してるのは
君に好きだと伝えられなかったこと